[最終更新日]2023年9月13日 [記事公開日]2022年7月14日
就職浪人が就活を成功させるための対策法をプロがわかりやすく解説!
就職浪人は「新卒と比べると就活で不利」と言われることもありますが、希望の企業で内定を獲得した就職浪人もいます。希望の職種や企業に就職するにはどうすればいいのでしょうか?就職浪人が就活で成功することは可能なのでしょうか?
このコラムでは、就職浪人の就活事情と就職浪人が就活を成功させるための対策について、就活のプロが解説します。就職浪人でも内定を獲得できる秘策を教えますので、コツを押さえてしっかり対策しましょう。
まずは就職浪人と就活事情を知ろう
就職浪人とは、学校を卒業してからも進学や就職をせず、就職活動を続けている人のことです。文部科学省の調査では、大学卒業後に就職または進学しなかったことが明らかな人は、全体の10%に上ることが明らかになっています。高校、短期大学の卒業者の場合でも、卒業者の2~3%は就職または進学をせず、就職浪人となっています。
ある意味、「新卒と比べて就職浪人は就活で不利だ」というのは確かです。シビアな話になりますが、新卒の就職内定率は約92%なのに対し、就職浪人の就職内定率は約42%。就職浪人の就職内定率は、新卒の半分以下なのです。この数字を見ると、就職浪人にとってかなり厳しい現実が浮かび上がってきます。しかし、内定を獲得できる可能性はゼロではありません。4割以上の人は就活で成功しています。あなたも就活で成功することは可能です。
就職浪人になると「既卒」となり、新卒とは扱いが違うというのが従来の見方でしたが、現在はその限りではありません。2010年、厚生労働省の通達により、卒業から3年以内の既卒者は新卒枠で扱われることになりました。そのため、以前と比べると、就職浪人ではあっても新卒と比べて必ずしも不利とは言えなくなりました。
ただし、面接では必ずと言ってよいほど就職浪人した理由を聞かれますので、事前の準備をより入念に行う必要があるでしょう。さらに、学生ではないので交通費の割引制度などを受けられませんし、大学のキャリアセンターからの紹介などを受けられず、仲間がいないために孤立した就活になりがちといったデメリットがあります。ですが、それまでの就活の経験を活かすことができますし、就活に専念できるといったメリットもあります。すでに就職した友人たちから企業の実情などの役立つ情報を教えてもらい、企業ごとに的確な対策を立てて面接に臨むことも可能でしょう。
就職浪人がすべき対策とは
自由に時間が使えるのが就職浪人のメリットではありますが、計画的に過ごさないと、ただダラダラと1年を過ごしてしまうことになりかねません。時間を有効活用して、しっかり対策を練りましょう。内定を獲得するためには、基本的かつ有効な4つの対策方法があります。
就職浪人がすべき対策1:「志望する業界・業種の情報を得る!」
対策の1つ目は「志望する業界・業種の情報を得る」ことです。就活・転職サイトや企業のサイトなど、ネットの情報だけに頼るのでは、情報量、質ともに不十分です。新聞、その企業の商品や店舗、書籍や雑誌など、さまざまなメディアから企業を知るようにしましょう。さらに、すでにその企業もしくは業種に就いている先輩や友人、親や親戚、親世代の知人などの話を聞いて、新しい角度から情報を得ることもできます。
「どこから情報を得るか」だけではなく、「どんな情報を得るか」も大切です。「売り上げ」や「利益」など、調べておいたほうがいいと言われるものはたくさんあり、すべてを調べようとすればキリがありません。ですが、実際に面接でこれらの質問を受けることは非常に少ないというのが事実です。
もし「うちの会社の売り上げは?」「利益の源泉は?」と聞かれるとしたら、それは面接を受けているあなたが質問とかけ離れたことを答えているか、トンチンカンな回答をしているのかもしれません。面接官は「この人はわが社のことをちゃんと理解しているのだろうか?」と疑問に感じたため、このような質問をするのです。もし、内定をもらえなかった企業の面接でこのような質問を受けたことがあるならば、あなたの面接対策は間違っていたことになります。
では、どのような情報を得るのがベターなのでしょうか。ほとんどの人は「業界地図」と、対になっている「就職四季報」を見て研究しているはずです。就職四季報を見れば、福利厚生、採用実績などが分かります。志望する業界が決まったら、業界本を1冊読めば全体を把握できます。その業界の大約を知ることができるでしょう。
次の段階は、面接に向けた情報収集です。「木を見て森を見ず」というたとえがありますが、これは就活における企業研究にはあてはまりません。就活で見るべきは「木」です。「森を見る」ような、つまり業界全体を見て話すようなコンサルティング的な立場からの意見は、面接では求められていません。むしろ、「なぜこの会社はこの分野で他社と比べて劣っているのか」「なぜこの分野では業界他社より秀でているのか」、あるいは「この会社のサービスを通じて顧客にどう感じてもらいたいか」といった、いわゆる小さな「木」の部分に目を向けて情報収集し、分析してください。そして、あなたがその木を切り倒す人になるのです。
それは、あなたがその会社に入ってやりたいことにつながります。「自分がその企業に入ってやりたいこと」をベースに情報収集すれば、失敗することはありません。もし「やりたいことがない」なら、その会社もしくは業界はあなたに向いていないのです。
就職浪人がすべき対策2:「サポートしてくれる存在を見つける!」
さらに、2つ目の対策として「サポートしてくれる存在を見つける」ことをオススメします。「就活は集団戦」と言われるように、同じ境遇の就活生同士で情報を共有し、励まし合い、慰め合うことでモチベーションを保っていける部分があります。その点、就職浪人は不利です。相談する相手がいないために、就活のモチベーションを維持するのが難しくなります。
ですから、サポートしてくれる存在を見つけましょう。OBであれば大学の就職課を利用できますし、大学主催の就活セミナーも受講できる可能性があります。大学によっては既卒者の就活を手厚くサポートしてくれる場合がありますので、まずは相談してみましょう。
就職サイトや就活エージェントを利用するのもおすすめです。職歴がなくてもサポートしてくれるサービスがあるので、活用してください。新卒者向けハローワークは、新卒者だけでなく、就職浪人に向けてもサービスを提供しています。地域によりますが、既卒者限定の合同面接会などを開催していることもあります。
大学の就職課や就活エージェントを活用することには、モチベーションを維持できるというメリットもあります。1人で就活をしていると、孤独になりがちです。就活を成功させるうえで、孤独はネガティブ思考に陥りやすくし、大きなデメリットとなります。支援してくれる存在は心強く、やるべきことを教えてくれるありがたい存在です。モチベーションを維持するためにも、一緒に就活と戦ってくれる味方を見つけましょう。そういう味方がいれば、考え方がネガティブにならず、前向きに就活と向き合うことができます。
弊社ジールコミュニケーションズでも、就職浪人の就活を支援する無料サービス「既卒・フリーター向け就職サポート」を行っていますので、ぜひ活用してください。
就職浪人がすべき対策3:「就職浪人を選んだ理由とエピソードを準備!」
対策の3つ目は「就職浪人を選んだ理由とエピソードを準備」することです。面接では、「なぜ就職浪人しようと思ったのか?」「この1年で自分が感じたこと、成長したことは?」などの質問をされることが想定されます。「企業から内定がもらえなかったからです」「就職浪人中は何もしていませんでした」と正直に答えてしまっては、面接で落とされてしまう可能性大です。面接官が納得できる前向きな理由、浪人中の期間をいかに有意義に過ごし、どのように企業に入るための努力を積み上げてきたのかを考えて、回答を準備しておかなければいけません。
また、浪人中のエピソードを話せるように、さまざまな人と会って視野を広げ、社会に役立つ経験を積むようにしましょう。アルバイトをしているなら、仕事を通して何を学び、どんなことを成し遂げたのか、具体的に話せるようにしておいてください。
就職浪人がすべき対策4:「資格を取得する!」
4つ目は「資格を取得する」ことです。卒業して時間があるのですから、資格を取得して、就活を有利に進めましょう。仕事内容に合った資格を取得して、即戦力となれることをアピールすることをおすすめします。
不動産業界であれば、宅地建物取引士を取得しておくと就活に有利です。というのは、業界で働く人の約3分の1しか宅建を取得していないからです。年に1度、10月しか試験がなく、就職してから資格を取得するための勉強時間を取るのは困難です。このような希少価値が高い資格は、就活で役立ちます。
保険業界や金融業界を目指す人には、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取ることをおすすめします。保険業界などに就職するとマストで取得しなければならないので、事前に資格を取得すれば、その業界を志望する強い動機を伝えられます。資格は即戦力として役立つだけではなく、「この業界で活躍するために、この資格をすでに取得しました」と面接で熱意をアピールできるのです。
特に、国家資格系は持っておくと役立ちます。たとえば、司法試験や公認会計士などは倍率の高い難関資格なので、その分野を目指すのであれば、絶対的に有利になります。逆に、専門的な資格を持っているのに別の分野の業界を志望しているのであれば、面接で必ずその点について突っ込んで質問されます。ですから、ただやみくもに資格を取るのではなく、自分の志望する業界・業種を決めてから、そこで活躍するために必要な資格を選んで取得しましょう。
専門分野とは別に、幅広い分野でプラスに働く資格を取るのも、就活を成功させるうえで良い方法です。たとえば、TOEICは比較的どの企業、どの業種でも、持っていてプラスに働きます。グローバル化が加速していく中で、今後も海外に進出していく企業は増えていきますから、TOEICを持っていれば長く、幅広く活躍できることをアピールできます。他にも、中国語検定やHSK(漢語水平考試)、フランス語検定、スペイン語技能検定など、企業にとって役立つ資格があります。日商簿記、基本情報技術者などの資格も良いでしょう。
内定を獲得するための流れと秘策
就活の流れは、新卒者とほぼ同じと考えてください。内定までの大まかな流れは、(1)自己分析→②企業研究→(2)応募種類の作成→(3)応募・選考→(4)一次面接→(5)試験→(6)最終面接→(7)内定となります。大まかな流れなので、企業、業種によっては工程が違う場合もあります。
本来ならば、大学3年生の6月から2月くらいまでインターンシップが行われます。インターンシップは基本的に新卒向けに行われるため、既卒は参加できないことが多いです。新卒採用サービスからしかインターンシップや体験入社に応募できない企業には、自分で直接お願いして、インターンシップや体験入社をさせてもらうしかありません。断られる可能性が大きいとはいえ、熱意を伝えてみても良いでしょう。長期インターンに参加できる可能性もあります。
とはいえ、インターンシップに関しては、参加したからといって内定に直結するわけではないです。参加できれば1つのアピールポイントにはなりますが、参加できないからといって焦っては元も子もありませんので、参加できなくてもあまり気にしないようにしてください。
新卒と違って、就職浪人ならば就活開始時期を自由に決めることができます。現在、既卒者採用については通年採用を導入している企業が多いので、新卒よりも早く動くことができるでしょう。既卒の場合はグループ面接ではなく、個人面接を行う企業が多いので、面接対策に力を入れることが大切です。転職エージェントなどを利用すれば、企業ごとの面接対策をサポートしてくれます。1人で面接対策するよりも、サポートしてくれる存在がいるほうが、面接を攻略するうえでは断然有利です。
まとめ
就職浪人になったからといって、志望の業種や企業をあきらめる必要はありません。できればスムーズに就職できることが望ましいですが、今の時代、就職浪人や就職留年は珍しくありません。新卒よりも就活に充てる時間が多く取れますし、一度就活を経験した強みがあります。就職浪人のメリットを活かして、ぜひ就活を成功させてください。
ジールコミュニケーションズでは、新卒・既卒での就職活動、第二新卒、中途で転職活動をはじめ、企業向けの採用支援や学校・キャリアセンター向けのサポート支援を行っております。豊富な実績や手厚いサポートによってお客様に向き合った支援サービスをご提供いたします。
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