[最終更新日]2023年9月13日  [記事公開日]2022年7月5日

セカンドキャリアに失敗するアスリートの特徴から見る正しい就活のやり方

「いつまでも競技を続けられるわけじゃないし、そろそろ引退後のセカンドキャリアのことも考えなきゃ」ある程度アスリートとしてのキャリアを重ねると、そんなことが頭をよぎる人が多いものです。しかしいざセカンドキャリアのことを考え始めると、果たして自分にできる仕事が世間にあるのかどうかはもちろん、そもそも世間にはどんな仕事があり、どう就職活動をすればいいのか知らないことに気づき、焦り始めます。セカンドキャリアの成否にはこれから先の長い人生がかかっているのですから、失敗したくないのは当然ですよね。

そこでこのコラムでは、セカンドキャリアに失敗するアスリートの特徴をもとに、正しい就活のやり方について解説します。これまでセカンドキャリアに失敗してきた元アスリートたちの事例を反面教師として、正しいやり方を学び、就活を成功させましょう。

アスリートがセカンドキャリアに失敗する原因

アスリートがセカンドキャリアに失敗する原因

アスリート達にとって、引退後の人生であるセカンドキャリアをどのように過ごすかということは大きな課題となっています。有意義なセカンドキャリアを送るためにも、セカンドキャリア形成に失敗する原因を知っておくことはとても大切です。これまでのアスリート達のセカンドキャリア形成のやり方を見てみると、失敗する人にはいくつか原因があることがわかってきます。

1つ目は引退の判断時期の遅さです。アスリート達にとって引退時期の見極めはとても重大な決断であるとともに、難しい問題でもあります。きちんと時期を見極め、計画的に引退できる方は問題ありませんが、なんとなくずるずると選手生活を続けてしまっている人は考えを改める必要があります。なぜならば、セカンドキャリアを成功させるためにはある程度の「若さ」が必要だからです。引退を先延ばしにするということは、その分だけ年齢を重ねることになります。セカンドキャリアとして企業に勤めたい場合、この加齢という問題は大きなネックとなり、選択肢の幅を狭めることになってしまうのです。

2つ目はプライドの高さです。スポーツ界で華々しく活躍していたアスリート達は、周囲からの羨望の眼差しや称賛の声を浴びる機会が多くあります。それらの称賛をきちんと受け止め、理性でコントロールできているうちは問題ないのですが、中には慢心してしまい、プライドが異常に高くなってしまう方もいます。このプライドの高さを引きずってしまうと、セカンドキャリアにおける新しい環境に適応できず、セカンドキャリア形成に失敗してしまうということは少なくありません。

3つ目は自己肯定感の低さです。プライドが高すぎるのも問題ですが、自己肯定感が低くてもセカンドキャリアに失敗する可能性が高くなります。注意が必要なのは、自分はスポーツしかやってこなかったということを負い目に感じてしまう方です。そういった感情を持ってしまうと、セカンドキャリアの選択肢を自ら狭めることにつながってしまいます。

4つ目はスポーツ以外のことを知らないということです。アスリート達は、これまでの人生の多くを自身の競技につぎ込んでいます。そのため、スポーツ以外に打ち込んだものが少なく、一般の方と比べると様々なことで経験値が足りないという状況になってしまいがちです。知らないということはスポーツ以外にやりたいことがないということにつながってしまいます。セカンドキャリアでやりたいことが見つからず、行き詰まってしまうという失敗は少なくないのです。

そして5つ目は周囲に助けを求めないことです。世の中にはアスリート達のセカンドキャリアを支援する取り組みがたくさんあります。しかし、アスリートの中には自分のやり方があるからと、意固地になって他者の意見を受け入れないという人がいます。そうなってしまう背景にはスポーツ以外の知識がなくて恥ずかしいという羞恥心があるようです。しかし知識がないからこそ、豊かなセカンドキャリア形成には周囲のサポートが必須になります。変なプライドで他者との関わりを絶ってしまうと、セカンドキャリア成功の道からは遠のいてしまうのです。

アスリートのセカンドキャリアを成功させるために心得ること

アスリートのセカンドキャリアを成功させるために心得ること

アスリート達がセカンドキャリアを成功させるために最も大切なことは「視野を広げる」ことです。アスリートのセカンドキャリアで多くの方が目標にするのは、自分の競技に関係する仕事に就くことです。主に競技の指導者や解説者などの仕事が考えられますが、この職につけるのは本当に限られた人のみで、その他大勢の方は自分の競技と全く関係のない仕事に就くというのが現実です。そのため、引退後のセカンドキャリアの選択肢を1つでも多くするためには、自身の競技以外のこと(スポーツ以外のこと)に関心を持つということが重要になってきます。その内容は何でも構いません。新しい趣味を見つけることから始めても良いですし、スポーツ業界以外で交友関係を広げることでも構いません。こうした活動を引退する少し前から始めておくと、自分自身の世界が広がり、引退後のセカンドキャリアでやりたいことが見えやすくなります。セカンドキャリアを成功させるためには、スポーツ以外で自分のやりたいことを見出すことが最大の課題となりますので、早いうちから意識して損することはないでしょう。

次に大切なことは、事前に引退時期を決めておくということです。アスリート達の引退時期はそれぞれの競技によって異なります。自分の競技の平均引退年齢は調べるとすぐに出てきますので、目安として時期をある程度把握しておき、セカンドキャリアに向けて備えるようにしましょう。そうすることで、セカンドキャリアに移行するべき旬の時期を逃すことなく、スムーズに第2の人生を歩み始める事ができるようになります。

最後に大切なことは、これまでの人生とのギャップが存在することを覚悟しておくということです。これは特に、アスリートとして華々しく活躍していた方達には強く意識しておいてもらいたいことです。どういうことかというと、これまでアスリートとして活躍することで得た称賛が、引退後のセカンドキャリアにおいては全く無縁のものになってしまう可能性があるということです。スポーツ業界を離れ、新しい世界で頑張るアスリートたちにとって、一般企業に務める生活というのは大きなギャップをはらんでいます。これまでベテラン選手としての扱いから、社会人として新人扱いになるということを受け入れられず、困惑してしまうという方は少なくありません。しかし多くのアスリートにとってこれは避けては通れない道なので、事前にそういうこともあるという心構えをしておくことが大切なのです。

アスリートのセカンドキャリアを成功させる就活法

アスリートのセカンドキャリアを成功させる就活法

アスリートがセカンドキャリアを成功させるためには、現役時代から少しずつ引退後の将来について考え、準備をすることが大切です。そのためにも必ずやってほしいのが自己分析です。自己分析とは、自分自身がどのような人間であるかを知る作業です。自分の好きなこと、嫌いなこと、強みや弱みなど、簡単でかまわないのでノートなどにまとめてみましょう。そうすることで自分の志向に関する理解が深まり、引退後にどのような人生を送りたいのかを考えるきっかけを作ることができます。この自己分析は、就職活動をする上では欠かせないものなので、早めに行っておいて損はないでしょう。

自己分析が終了したら、それに基づき本格的に就職活動に向けて行動を開始しましょう。セカンドキャリア形成の成功を引き寄せるおすすめな就活法は3つあります。

1つ目は、資格を取得するという方法です。もし、自己分析を通して引退前からセカンドキャリアでやりたいことが見つかっている場合は、その仕事に就くために有利となる資格を取得しておくのがおすすめです。どんな分野のものであれ、資格を取得するということは、その分野の基礎知識を身に着けていることの証明になります。その事実は引退後に行う就職活動に余裕を持たせることにつながるので、就職を希望する企業への応募を行う前までには是非取得をしておいてください。特にやりたいことが決まっていないという方は、まずはPCの操作に関係する資格の取得をしてみましょう。現在は急速に情報化社会が進んでいることもあり、社会人としてPCの操作法を身に着けて置くというのは当たり前とされています。もし、現時点でPCの操作に不安があるという方は、今後の選択肢を広げるためにも一通り操作に慣れておくことをおすすめします。また、難易度は上がりますが、税理士や柔道整復師など、専門的な職業に関する資格を取得するのもおすすめです。これらの資格は就職活動の時に有利になることはもちろんのこと、将来独立して自分のお店を持つ事ができる可能性があるものです。取得にかかる時間やコストが大きい分、返ってくるメリットも大きいので、選択肢の1つとして覚えておいてください。

2つ目は転職エージェントを利用するということです。一口に就職活動と言っても、求人探しから、履歴書の記入、そして面接までやることがたくさんあり、不慣れな人にとってはそれだけで心身共に疲弊してしまいます。特にアスリートの方はこれまでスポートの世界に集中して生きてこられた方も多いため、一般の方よりも不慣れなことが多く、就職活動で苦労するという方は少なくありません。そんなアスリートの方たちに是非利用してもらいたいのが転職エージェントです。転職エージェントとは、転職活動を行う人のサポートを行ってくれるサービスのことです。転職エージェントには様々な形態がありますが、アスリートの方におすすめなものは、アスリートのセカンドキャリア支援に特化した転職エージェントです。このアスリート特化型のエージェントには、アスリート達の引退後のセカンドキャリアに精通した専門のスタッフがいます。そのため、就職活動に関する知識がゼロな状態でも、動じずに1から丁寧にサポートしてくれます。サポート内容は主に、適職診断や仕事の紹介、そして履歴書の書き方から面接練習などがあげられます。各エージェントにはそれぞれ強みや特徴があるので、いくつかのサイトを比較して自分に合いそうなところを選ぶとより効率よく就職活動を行うことができます。1人でどうにかしようとする心意気もとても尊いものですが、その分選択肢を狭めてしまうリスクもあります。他者の意見を参考にして選択肢を広げるためにも、積極的に活用していきましょう。

そして3つ目は、デュアルキャリアを検討するということです。デュアルキャリアとは、アスリートとしてのキャリアの形成中に、ビジネスパーソンとしてのキャリア形成も同時進行で行う状態を指す言葉です。アスリート達は、現役中は自身の競技のことのみに集中するのが一般的です。しかし、デュアルキャリアでは、アスリートとして活動をしながら、その後のセカンドキャリアのことを考えて、一般の仕事も行うという新しいキャリア形成の仕方を提唱しています。

デュアルキャリアの最大のメリットは、現役中からビジネスの経験を積むことができるため、引退後のセカンドキャリアへの移行がスムーズになるということです。多くのアスリート達は、だいたい30歳前後で引退しますが、30歳の時点でビジネススキルや社会経験がないというのは、就職活動において大きなネックとなります。その点、現役時代から少しでも経験を積むことができれば、何もしていなかった人よりも有利な状況で引退を迎えることができるようになるのです。実際に、デュアルキャリアを行ったアスリート達の声を聞いてみると、現役中にスポーツの世界以外の人たちと関わることで、自分の競技にフィードバックできるような考え方を学ぶことができたという声や、ビジネスを通して知り合った人が、自身の応援者やスポンサーになってくれたという喜びの声が多くあげられています。もちろん、競技と仕事を両立する上で、練習時間に支障が出てしまったり、身体に負担がかかったりなどのデメリットもあります。しかし、計画的に行えば、両立も決して不可能なことではないので、可能な方は是非デュアルキャリアに挑戦してみましょう。

まとめ

アスリートがセカンドキャリアの形成に失敗してしまうのは、スポーツの世界以外でのスキルや経験が不足していることが最大の原因です。そのため、現役中からきちんとセカンドキャリアについて考え、少しずつ行動することが大切になります。

アスリート達のセカンドキャリア形成は、社会的な課題となるくらいとても厳しい道のりです。しかし、事前に準備を進めておけば、自身がこれまでの競技人生の中で培ってきた経験を生かして、有意義な第2の人生を送ることができるでしょう。

弊社ジールコミュニケーションズでも、アスリートのセカンドキャリアやデュアルキャリアを支援するサービス「アスリート向け就職サポート」を展開しています。就職活動未経験者が多いアスリートの就活には、不慣れな部分を代行し、手助けしてくれるエージェントの存在が不可欠です。「そもそも就活ってどうやるの?」というところから、納得の内定を獲得するところまで二人三脚でサポートしますので、安心してお任せください!

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