[最終更新日]2023年9月13日 [記事公開日]2022年6月9日
20代の転職で年収交渉は可能?交渉方法と具体的な年収額について解説
最近は転職へのハードルも下がり、20代で転職を経験する人が多くなってきました。そしてその転職の多くは年収や給料額に不満があることで、”今よりももっと年収の高いところに”という理由から動き出す人が多くいます。
しかし20代という若さから仕事における経験も少なく、「年収交渉はできない」と思っていることでしょう。では実際、20代の転職で年収交渉は可能なのでしょうか?今回のコラムではそんな20代転職の年収交渉事情について解説していきます。
20代の転職で年収交渉は可能?
結論から言いますと、20代であっても年収交渉は可能です。企業の採用担当者と交渉することで年収アップにつなげられます。ただし、交渉を成功させるためには、交渉の方法やタイミングや希望年収額など、いくつか注意すべき点があります。前職と比較してできるだけ高い給与を望みたくなりますが、あまりにも高望みな金額を要求してしまうと、給与にしか興味ないのではと思われて交渉が難しくなってしまう恐れがあります。
なお、年収アップを実現することは、転職以外の方法でも可能です。例として、副業が挙げられます。副業が禁止されている企業もあるため、一概には言えませんが、手っ取り早く収入を増やせる方法です。ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングを活用して、サイトを通じてライティングやアンケートの仕事を受注したり、短期のアルバイトをしたりして本業の傍らで収入を得ることができます。
また、本業で収入を上げる方法としては、資格手当を得ることです。資格手当は福利厚生の一種で、業務に活かせる資格を有していたり、試験に合格して新たに資格を取得すると、毎月の給与に手当分が上乗せされて支払われる制度です。一般的な資格手当の相場としては、数千円〜数万円となっています。ただし、企業によって給与規定が異なるため、不明点は担当者に確認しておきましょう。このような手当や補助が支給される社内制度を積極的に利用することで、現職に就いた状態のまま収入の増加を期待できます。
とはいえ、最初から転職を希望する場合、転職先での年収をアップさせるためには具体的にどうしたらいいのか、疑問や不安を持っている人も多いことでしょう。転職を希望する企業に対して直接交渉するほか、マイナビエージェントやリクルートエージェント、dodaなどの転職エージェントに登録して、年収交渉を依頼する方法があります。
転職エージェントとは、求職者一人に対しキャリアコンサルタント一人が担当して、求人の紹介や必要書類の作成支援などといった、転職活動に関係するさまざまなサポートを提供するサービスです。転職サイトで膨大な求人の中から、自分に合った求人を見つけて選び出すのは非常に大変です。そんな時には、転職エージェントを活用することをおすすめします。転職エージェントは転職活動のプロですので、年収交渉をするベストなタイミングや方法を知っています。
そのため、求職者が企業と交渉するよりも、転職エージェントに代行してもらうことでスムーズに話がまとまることが期待できます。そして直接交渉に自信がないといった場合はもちろんですが、転職活動そのものにおいても心強いサービスが受けられます。そのため、年収アップを叶えるだけでなく、自分が働きたい企業に転職できる可能性も高められます。
平均値から見る交渉額の目安
「今よりも年収を増やしたい」「気になる求人があるけれど、もう少し給与を増やしてもらえないだろうか」など、転職によって収入をアップさせたいと考えている人は多いでしょう。希望する年収で交渉成立させるためには、まずは、20代の平均年収を知るところから始めましょう。これは、現在の収入が妥当なのかどうかを判断する基準になります。
厚生労働省による「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとにして計算すると、20代前半の平均年収は314万円で、20代後半の平均年収は390万円という結果になっています。前半と後半で金額に違いが現れるのは、賞与額の差によるものと考えられます。実績や経験によって支給金額が決定されるため、スキルを身につけた20代後半の方が金額が多くなります。この数値をもとにして、同世代と比べて自分の年収はどうなのか確認しましょう。そして、平均年収を目安にして希望する年収を設定します。
なお、年収をできるだけアップさせたいと思っていても、年齢に相応しくない金額を望んで転職活動をしてしまうと、自分の身の丈に合っていない求人ばかりを受けることになり、選考に落ち続けてしまうといった良い結果が得られない状態に陥りかねません。そこで、重要になってくるのが自分の市場価値です。自分自身の価値を客観的に測ることは難しいです。ですが、前職や現職で得たスキルや経験を採用担当者にしっかりとアピールすることは、年収交渉において大切になってきます。なぜならば、それら市場価値は、企業側が採用するにあたって、「給与を上げてでも、あなたを採用したい」というような判断材料になるからです。
市場価値は個人のスキルや経験のほか、勤務年数や資格、そして年齢など、さまざまな観点から、市場全体から見た平均値を割り出します。このように平均値を算出することは、採用担当者に提示するだけでなく、他にもメリットがあります。希望する年収に見合ったスキルを持っているのかと、自分を客観視できます。延いては、自分のことをしっかりと理解できているならば、自信につながります。
先ほども述べたように、自分で自分の価値を見つめるには限界があります。その際には、転職エージェントに頼りましょう。プロの力を頼って、しっかりと自分の現状を把握することが大切です。このとき、転職エージェントは複数登録しておきましょう。そうすることで、より詳細に自分を分析することができます。
年収交渉において、その金額を希望する正当な根拠を示せるかがとても重要になってきます。ただ単に年収を増やしたいからといった曖昧な理由では交渉は難しいです。年収アップを希望する理由はもちろんのこと、企業側に、自分はその金額を支払うだけの価値がある、会社に貢献できるだけの人材であるということを説明して納得させる必要があります。自分の市場価値を明確にして採用担当者にしっかりと示すことで、年収交渉を進めやすくなります。
20代の転職で年収交渉をする方法と注意すべきこと
年収交渉は対面での面接の際に行いましょう。内定が出た後では給与条件が確定してしまっているため、交渉が難しくなってしまいます。そのため、面接時に採用担当者に直接交渉するのがポイントになります。話を切り出すタイミングは、「給与に関して希望はありますか」や「最後に何か質問などありますか」と聞かれたときです。その際に、質問をすると良いでしょう。このとき、自分から給与について話し始めないように注意が必要です。
「御社はどのような給与形態ですか?」と質問するなど、自然な流れで交渉に話を持っていくことが大切になります。転職理由について聞かれた時も同じです。「年収を増やしたいから転職活動をしている」と目的を正直に伝えてしまうと、給与のことにしか関心がないのだろうかと思われてしまい、印象が悪くなる恐れがあります。余計な不信感を与えてしまわないように、焦らずタイミングを計りましょう。
なお、採用面接において、面接官からはっきりと希望年収について聞かれる場合もあります。企業側が求職者に希望年収を確認する理由として挙げられるのは、採用経費に合う金額かどうか、そして、自分の市場価値を客観視できているかどうかを確認するためです。
どんなに素晴らしい人材であっても、希望年収額が採用経費を上回るようでは、採用を見送られる可能性があります。これは、企業側があらかじめ、採用にかけられる費用である採用経費を決めているためです。面接時に求職者に希望年収を質問することで、その金額が採用経費に見合うかを判断しています。転職サービス比較サイトの転職研究所 byポストセブンlab.によると、企業が採用活動する際のおよその金額は、第二新卒を採用する場合だと年収350万円で、幹部クラスを採用するのなら年収500万円となっています。
しかし、実際には求職者が採用経費を知ることはできません。これでは、自分の希望年収が採用経費に対して高いのか、あるいは低いのか、基準が分からないまま転職活動を続けることになります。ですが、この時に目安になるものとして、年収相場があります。年収相場は、例えば、事務職であるならば年収300万円、営業職であるならば年収350万円といった業界や業種などによる大体の年収のことを指します。
ちなみに、年収相場はインターネットで調べられるほか、転職エージェントに相談して教えてもらうのも良いでしょう。業界や企業に関する情報をより詳しく知ることができるため、希望年収を考える際の参考になります。このようにして、企業側は求職者に対して採用経費に見合う人物であるかチェックしています。
企業が希望年収を訊ねる理由はそれだけではありません。先ほども触れたように、希望年収を聞くことで、求職者本人が自分を客観的に捉えられているかといった側面も見ています。年収交渉によって前職よりも高い給与を望むこと自体は、正当な理由があれば問題ありません。しかし、あまりにも高望みな金額を要求したり、スキルや経験がないにも関わらず年収アップを希望したりすることは、マイナスの印象を与える恐れがあります。具体的には、採用後に給与や年収面でトラブルになったり、実績と給与が釣り合わないといったことが起こる可能性があります。
マイナスな印象に受け取られてしまうと交渉が困難になってしまいます。そのような事態を避けるためにも、客観的な視点で自分の市場価値をしっかりと理解しておくことが重要です。この他にも、マイナス印象を与えてしまうものとして、前職や現職での給与を基準にした年収交渉が挙げられます。年収の基準は業界や業種、さらには、企業によってさまざまです。そのため、前職と同額程度、もしくは、それ以上の金額がもらえて当たり前という考えには注意が必要です。交渉する金額を決めるポイントは、転職を希望する会社の視点に立って価値観を合わせることです。
そして、私情による要求も印象が良くありません。子どもの教育費や親の介護費を稼ぐために転職を希望している場合、面接時についつい事情を相談したくなりますが、給与は仕事の対価として支払われるものということを忘れないようにしましょう。
年収交渉は、交渉するにしたがって次第に下がっていく傾向にあります。それを見据えて、初めて企業側に希望金額を提示する際は、希望年収よりも少し高めの金額を伝えます。これは、希望額にできるだけ近づけるテクニックの一つです。ですが、その差し加減は慎重に決めてください。的外れな金額になってしまうと悪く評価されかねませんので気を付けましょう。
また、最低希望金額を伝えてしまうと交渉が不利になってしまいます。企業側にはまだ予算に余裕があったにも関わらず、つまり、せっかくの交渉の余地を無駄にしてしまうことになるからです。何度も交渉を繰り返していると、正直に述べてしまいたくなりますが、ここで焦っては台無しになってしまいます。テクニックをうまく活用しつつ、ベストなタイミングで交渉を進めていきましょう。
まとめ
20代であっても、ポイントを押さえれば年収交渉が可能であることがわかったと思います。希望する年収での採用を目指すためには、いくつか注意をすべき点があります。それらをクリアして、企業側が求人で出している金額を上回る額であっても、あなたを採用したいと思わせられるように準備することが大切です。
少しでも高い給与で転職したいと望んでしまいがちですが、それに惑わされていては、年収交渉はおろか、転職さえも行き詰まりかねません。そうした状態に陥らないためにも、転職を始めるにあたり、転職の理由や目的を明らかにしましょう。そして、自分自身の価値を見極めることで、妥当な希望年収額を算出するのです。それらのステップを踏まえて、転職はもちろんのこと、年収交渉の成功につなげましょう。
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