[最終更新日]2023年9月13日 [記事公開日]2022年6月8日
大手からベンチャー企業に転職!覚悟すべきことと受かるための対策法を解説
大手企業=安定した企業、ベンチャー企業=不安定そんなイメージを抱く人も多くいるかもしれません。しかし最近では「ベンチャー企業は伸びしろがあり、成長性に期待が持てる」「やりたいことに挑戦ができる」といったことからベンチャー企業人気が高まり、毎年多く大手企業出身者がベンチャー企業への転職を決めています。
きっとあなたもその一人でしょう。では全く違う企業ともいえる大手企業からベンチャー企業への転職を成功させるためにはどう対策していけばよいのでしょうか。今回はそんな大手からベンチャー企業への転職を成功させる方法について解説していきましょう。
大手からベンチャーへの転職事情
ベンチャー企業は、個人の裁量権の大きさや成長できる環境という、自分の力を試してみたいと考えている人にとっては魅力的な場所です。しかし、大手企業から転職した場合に、それまでの環境と大きく異なってしまうために、ギャップを感じて、転職を後悔することになる場合があります。
失敗をしてしまう原因として、情報の収集不足が挙げられます。大手とベンチャーを比較すると、さまざまな面で違いがあります。例えば、大手企業には条件の良い福利厚生が用意されていますが、起業して間もないベンチャー企業には、福利厚生はおろか、社内システムや制度が整っていない会社も多く存在しています。近年では、オリジナリティある福利厚生が受けられる企業もありますが、やはり大手の方が充実しているのが現状です。
また、大手とベンチャーとでは組織風土が大きく異なり、企業側が求める人物像にも違いがあります。ベンチャーでは、マニュアルなどが整備されていないため、そうした環境で、誰かからの指示を待つような受け身の姿勢であっては、活躍することは厳しいでしょう。主体的に動いて、課題を見つけ出し解決していくというようなリーダーシップ性が要求されます。
なお、人手や資金といった資源面においても、大手はベンチャーに比べて豊富です。必要な資源が揃っているため、高い目標であってもスムーズにプロジェクトを進めることができます。しかし、ベンチャーでは、そもそも資源が不足しており、目標を達成するに至るまでに解決しなければならない課題が山積している場合があります。そのため、そのような状況であっても、アイデアを捻り出すなどして目標達成や課題解決のために前向きに取り組み、なんとしてでも成し遂げようとする意欲が必要になってきます。
このように、大手とベンチャーとでは、環境がかなり違うため、大手からの転職を希望する際には、環境対応力が必要になるでしょう。日々、目まぐるしく変化していく場所に身を置くことになるからです。担当業務外の仕事もどんどんやっていかなければならない、事業方針が決まったその日に変更になる、ということも日常的にあります。
そのため、ベンチャー企業ではチームプレーが不可欠です。組織体制がしっかりと構築されている大手では、業務の範囲や権限がそれぞれ分かれている分業体制が整っています。ですので、個々人がそれぞれに割り当てられた業務を取り組めば、それで組織の全体が機能します。ところが、ベンチャーでは、こうした体制が確立されていません。周囲と常にコミュニケーションをはかり、連携して取り組んでいくことが求められます。
ここまで述べてきたように、大手とベンチャー企業とでは、さまざまな面において違いがあります。入社後に、そうした大手とのギャップを目の当たりして、転職を後悔して失敗に終わってしまうことがないように、事前に情報を集めましょう。ベンチャーでの就業を希望する場合は、そのメリットだけでなく、デメリットやリスクを考慮して転職を検討することが大切です。
大手からベンチャーを目指す際に覚悟すべきこと
覚悟すべきこととして最も重要なことは、自身の経験やセオリーにとらわれないことです。ベンチャー企業では、これまでの自分の経験や得てきた知識では解決できない課題がたくさん出てきます。しかし、大手に勤めている間に成功した方法をそのまま転職先で流用してしまうことで、思ったような結果が出ずに失敗するケースがあります。このようなことは、自分のスキルを早くアピールしたいがために焦ってやってしまいがちです。ですが、大手からベンチャーに転職した際には、過去の成果が役立ちそうな課題を見つけるのではなく、課題に対してどのように解決すればいいのか、そのために経験や知識を使うといったスタンスが必要です。
また、転職を失敗することになる原因のほとんどは、自分自身の「プライドの高さ」にあります。大手からベンチャー企業への転職を、「ペンチャーに降りる」というイメージを持っている人がいますが、ベンチャーは決して大手と比べて劣るような企業ではありません。ベンチャーには、Googleや三菱商事など、世界有数の企業で活躍してきた経歴を持つ人がたくさん在籍しています。そんな彼らと肩を並べて働く環境では、先ほど述べた、自身の経験やセオリーから課題を探すといった心持ちでは、活躍することは厳しいでしょう。
プライドやこだわりに固執するあまり、課題への正しい向き合い方や積極性、柔軟な発想を妨げてしまう恐れがあります。大切なのは、それまで得てきた知識や蓄積された価値観などをリセットすることです。そうすることで、思い込みや既存の枠組みに捉われずに、まっさらな状態で物事を考えることができます。自身を完成された存在として立ち振る舞うのではなく、「自分も会社も成長させる」といったマインドを持ちましょう。
「ベンチャーに転職すると給与が減ってしまうのでは」と思われがちですが、そういった状況は変わってきています。大手のように賃金や給与の基準がしっかり決められていない分、年収を柔軟に示すことが可能だからです。ここで注意が必要なのは、年収の増減はベンチャー企業に転職したからという理由が原因ではないということです。あくまでも給与は自分自身の能力や期待度に対して支払われるというのを忘れてはいけません。
そして、ベンチャー企業で要求されるのは、チャレンジ精神です。大手では、その企業規模から決裁までに長い時間を要したり、失敗した時の影響力が大きくなってしまうがために、新しい試みに対して慎重になります。一方で、ベンチャーはスピーディーな決裁が可能です。加えて、挑戦していく意思やたとえ失敗したとしても、それを補えるといった前向きな姿勢が求められています。ベンチャーで活躍するには、こうした姿勢が大前提としてあります。失敗を恐れずに、どんどんチャレンジしていきましょう。
なお、ベンチャーで働いている人は、その経歴や経験はさることながら、年齢もバラバラです。チームを組んだ際には、年下の仲間もいるでしょう。年齢に関わらず、能力や人間性が高い人材は大勢います。年上、年下という年齢にこだわるのではなく、有能な彼らと手を取って前向きに課題を解決してきましょう。ベンチャーでは年功序列の考えは取り払って、一人の「人」として接することが大切です。
ベンチャー企業には大手のような後ろ盾はありません。頼るものはないですが、自分の能力で挑戦できる場所です。これまで得てきた力を発揮できる場面もあるでしょう。大手で活躍したのならば、すでに素晴らしい力が培われているはずです。上述したことを踏まえて、あとは、自分を信じて飛び込んでいきましょう。
大手からベンチャーへの転職を成功させる方法
ベンチャー企業は、それまでの大手とは環境が大きく異なってきます。まずは、転職する目的をしっかり立てることが重要です。ベンチャーには大手では得られないような個人の裁量の大きさや、実力次第では収入を大幅に増やせるなどといったメリットがあります。ですが、一方では、経営が不安定であったり社内システムの整備ができていなかったり、さらには、倒産のリスクが大手と比較して高いといった側面もあります。そうしたところに、前職とのギャップを感じてしまいがちです。
大手では当たり前のこと、例えば、手当や経費がベンチャーでは用意されていなかったり使えなかったりします。ただなんとなく「バリバリと働けそうだから」「勢いが感じられて楽しそう」などという理由では、転職後にミスマッチが起こりやすいです。「転職せずに大手にとどまっていた方がよかったのかも」などと後悔することがないように、どうしてベンチャー企業を転職先に選ぶのか、その理由をしっかりと考えて、明確にしておきましょう。そして、ベンチャーで自分が働いている姿を想像してみることも大切です。
また、経営者の考えに共感できるかどうかも、転職を成功させる上で考慮すべきことです。ベンチャー企業は、その企業規模が小規模であればあるほど、経営者の影響力が強くなってきます。ベンチャーでは社長との距離が非常に近いという特徴がありますが、大手では、社長に会ったり直接話をしたりする機会はほとんどないということも珍しくありません。しかし、ベンチャーにおいては、経営者自らが現場で指示を出したり、経営陣と密接な連携をとっていることも多いです。そのため、経営者の価値観が企業風土に色濃く浸透しやすい環境といえます。
したがって、転職先を選ぶ際には、経営者の価値観に共感できるかどうかを見極めることはとても大切になってきます。企業のホームページに、社長の挨拶や企業方針などが掲載されています。採用試験を受ける前に必ず確認しておきましょう。それに加えて、疑問点がある場合には、面接時に質問したり、既に働いている社員との面談をセッティングしてもらうことも、社風を知る方法として有効です。さまざまな手段を使って、希望する会社への理解を深めましょう。なお、経営者と近い距離で働けるため、経営陣に対して直接に提案ができる環境です。そばで働けることをポジティブに受け取れる人は、ベンチャーで働くのに適しているともいえます。
そして、忘れてはならないのが処遇面に関してです。仕事内容が希望通りで経営者の考えにも共感できたとしても、給料・賞与や労働時間、福利厚生が理想から遠ければ、働いていく上で先行きが不安です。安心して働くためにも、事前に確認することは重要です。その際、自分の中での譲れない条件を明確にしておくことポイントになります。その条件以外は割り切ることで、希望する企業を絞ることができます。ですが、もともと処遇面が良い大手からの転職の場合、ギャップをより大きく感じてしまうかもしれません。採用面接時に、自分が十分に納得できるまで、しっかりと質問をして、時には交渉しましょう。
せっかく希望のベンチャー企業に転職できても、入社後に失敗したと感じてしまったのでは残念です。こうしたミスマッチが起こらないようにするためには、自分が期待する条件をはっきりとさせる他に、企業側に関する情報もきちんと押さえておくことです。例えば、業績面です。ベンチャー企業は成長スピードが著しいという特徴があり、そうした環境で働けることに醍醐味が感じられます。希望する会社の業績を確認して、もしも成長に鈍化が見られる、あるいは、業績が停滞している状態であれば将来性が望めないと判断できます。
また、人の入れ替わりが多い会社は、人が仕事を続けられない何かしらの問題が潜んでいる可能性がありますので注意しましょう。そして、ベンチャー企業は激しい環境変化での就業になります。日々の組織変動などによって、自分がやる業務の内容も変わる可能性があります。希望していた業務外のことを任されることもあります。そうした環境であることを理解していたとしても、入社後に任される業務について、面接時にしっかりと確認しておきましょう。
そして、転職を成功させるには、転職サイトや転職エージェントを利用することも重要です。希望するベンチャー企業が成功するかどうかを自分で見極めるのは非常に難しいことです。サイトやエージェントを活用して、「信用できる経営者なのか」「事業展開に先があるのか」などといったことを判断しましょう。この時、複数サイトを登録しておくことがポイントになります。求人数やサポート体制など、サイトやエージェントによってそれぞれ特色があるからです。適切なサイトを選ぶことで、自分の希望に合った転職先を見つけられるだけでなく、より良い条件の企業で働ける可能性が広がります。
まとめ
大手企業とベンチャー企業は企業風土が大きく異なります。「勢いがあって、働きがいがありそうだから」というような曖昧な理由では、転職後にギャップを感じてしまい、失敗してしまう可能性があります。そのため、大手からベンチャー企業への転職を成功させるためには、確認するべきことや注意すべきことを、事前に押さえておくことが大切になってきます。そうすることで、転職後に後悔してしまうといったミスマッチを防ぐことができます。しっかりと情報収集して、ベンチャー企業への転職を成功させましょう。
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