[最終更新日]2023年9月25日 [記事公開日]2021年10月28日
【例文あり】第二新卒の面接でよくある質問と上手な答え方
第二新卒としていざ転職活動を始めようというとき、ほとんどの人にとって一番不安を感じるポイントは面接ではないでしょうか。
日本では未だに入社3年以内という短い期間で会社を退職することをネガティブにとらえ、転職をする本人もそこに負い目を感じているケースが多く見られます。そのため、面接で前職を辞めた経緯や、経験が浅いことを追及されることを不安視するのです。
ですが、時代も追い風となって、第二新卒の転職市場もかなり成熟してきました。企業側も第二新卒を採用するにあたっての経験値が増えていて、優秀な人材を面接で見抜くポイントについても、ある程度整理され、情報共有されてきています。求職者はそのポイントを押さえて面接対策をすれば、第二新卒であることはむしろメリットとして面接官にアピールできるでしょう。
第二新卒と新卒との面接の違いとは?
第二新卒として面接に臨むとき、意識するべきことは、新卒として就職活動をしていたときとの違いです。第二新卒の求職者のほとんどは転職そのものが未経験ですから、必然的に学生時代の就職活動の経験に基づいて対策しようと考えるでしょう。ですが、第二新卒はあくまでも中途採用です。既卒3年以内とはいえ、会社側は新卒採用とは別の人材として評価するので、求職者の側でもその違いを意識して対策を練らなくてはなりません。
第二新卒と新卒の、面接における大きな違いの一つは、社会人としての経験について語れるかどうかです。実際に仕事をする中で、どんな努力をしたか、何を学んだか、あるいは何を失敗したのかを伝える必要があります。第二新卒の求職者の中には、前職での経験についてアピールすることに二の足を踏む人もいます。短い期間での仕事の経験をアピールしたところで、大したことがないと思われるのではないかと恐れているのです。
面接官は、短い期間であっても精一杯努力していた人材、その経験から何か学び取ることができた人材を求めています。そのような人材なら、新しい職場でも立派に活躍して成果を出すことができると知っているからです。ですから、求職者の側は前職での経験について、しっかり具体的に語ることが重要なのです。
新卒面接とのもう一つの大きな違いは、転職活動をする理由をとても重視されているということです。新卒の学生であれば、なぜ就職活動をするのかを疑問視されることはありません。卒業すれば誰もが何らかの仕事をしなくては生活できませんし、それがある種、当たり前の選択だからです。
ですが、第二新卒の求職者は、自分の意志で前の会社を退職し、新しい仕事に替えようとしています。そこに目的意識があるのかどうかを面接官は重視します。ここが面接の一番重要なポイントで、ただ不満があるから退職して、何となく次の会社を探しているのか、自分のキャリアについての明確なビジョンを持って、その目的のために転職活動をしているのかを見極められているのです。
前者は、企業側にとって何の魅力もない人材です。下手をすれば自分の会社もすぐに辞めてしまって、人材育成の費用だけが無駄にかかるというリスクを負うことになります。ですが、後者の人材であれば、企業側の興味は一気に高まります。より詳しくどんな仕事をしたいか、どんな目標を達成したいかについて聞き、それが自社の採用の目的に叶っていれば、まさにこの人こそ求めていた人材だと判断するでしょう。
第二新卒の求職者はこの二つの点において、新卒時とは違うということを意識しながら面接に臨まなくてはなりません。この大前提に沿って面接対策をしていると、自ずと学生時代の面接での受け答えとの違いが見えてくるはずです。新卒の学生が面接で答えることはどこか抽象的で、模範解答といった印象です。実際に社会を知らないのですから、自分が調べ、見聞きした範囲内での理想の仕事観を話すことになるのは仕方がないことでしょう。
ですが、第二新卒が面接で話すことは、自らの経験に即していて、リアリティが無ければいけません。面接官が自分のキャリアビジョンや前職での働き方をイメージできるように、ときには自分自身の非も率直に認めて、具体的に話す必要があるのです。
【例文あり】第二新卒の面接でよくある質問と回答方
第二新卒の面接ではほぼ確実に、前職での経験と転職の理由という2大ポイントについてストレートに質問されます。こうした質問は事前に想定しておいて、自分の中で回答の要点を整理しておく必要があります。
まずは多くの場合、自己紹介の後に質問されるのが、前職での経験についてです。表面的な所属部署や業務内容は履歴書や職務経歴書で確認できるので、面接ではその仕事でどんな努力をしたか、どんな結果を出して、何を学んだかを詳しく尋ねられるでしょう。入社1年で辞めてしまった場合には、ほとんど研修しか経験していないかもしれません。たとえ研修とはいえ、しっかりとアピールするポイントはあります。
「前職では営業課に配属され、在籍していた1年間は営業研修が中心でした。研修期間中に2回、新入社員のロープレ大会が行われ、1回目は20人中10位という結果でした。私は上位5位には入りたいと思い、勤務時間外にも先輩社員にロープレに付き合ってもらって練習を重ね、2回目の大会では3位になることができました。私はこのとき、自分で目標を立て、それに向けて努力をすることは何よりも楽しいと感じました。」
ポイントは、面接官がイメージしやすいように具体的な事例を挙げること、そして、同期社員の中で上位を目指す向上心、自分で目標を立て努力できる自律心、目標達成能力をアピールすることです。必ずしも大会で優勝したという華々しい実績が必要なわけではありません。もし目標が達成できなかった場合でも、悔しい思いをしたためにその後の研修ではこんな努力をしたというエピソードを盛り込めば、面接官には良い印象を与えられるでしょう。
次に第二新卒が面接で尋ねられる重要な質問は、転職の理由です。なぜ前の会社を辞めたのかという退職理由を聞いてくることが予想されます。このとき、できるだけ退職理由と志望動機をワンセットにして回答しましょう。なぜ前職を辞めたいと思ったのかと、なぜ今面接を受けている会社で働きたいと思うのかという理由は、整合性がとれていないといけません。ですから、回答するときにも退職理由と志望動機をつなげて、以下のように論理的に説明します。
「前職では入社1年未満の新入社員でも、平日4時間以上の残業、土日でも合わせて8時間以上の休日出勤が常態化していました。先輩社員はもっと過酷な長時間労働を強いられていて、そのために私が入社してから1年後には、前年入社の先輩10人のうち5人が退職してしまいました。前職の会社ではこのような離職率の高さが当たり前になっており、残っている先輩社員にも仕事のモチベーションが高い人は見られませんでした。
私自身、十分に休むことができなかったために体調を崩しがちでした。これは自分の自己管理の甘さもあったと考えており、次の職場では必ずその反省を生かしたいと思っております。そのため、ワークライフバランスを大切にした意欲的な職場で、次こそ自分の力を最大限発揮したいと思い、御社を志望いたしました。」
ここでも具体的な事例を挙げることがポイントになっています。退職理由は特に主観に偏りがちですが、数字を出して客観的な事実として伝えることで、面接官にもやむを得ない事情であったということを理解してもらえます。
大切なのは、自分の非もしっかりと認めるということです。何か問題があったとき、他人への不満ばかり述べず、自分には何ができるかをしっかり考えられる人こそ、仕事で成果を出すことができる人です。もし退職という結果になってしまったならば、自分ももっと努力できた点を冷静に分析し、その反省を次の仕事に生かしてよりよい仕事ができる、ということをアピールしましょう。
また、ネガティブな退職理由の回答を、ポジティブに締めくくるということも大切です。上記の回答例でいうと、残業が多くて離職率の高い職場だったから辞めたかったという退職理由が、もっと自分の力を発揮して活躍したいという、未来を向いた意欲的な志望動機につなげられています。この一工夫で、面接官の印象はぐっと良くなります。
第二新卒の面接対策で大切なこと
第二新卒の面接では、退職理由や転職後のビジョンといった質問への回答がとても重視されます。当然、求職者もその点についてはしっかりと対策を考えているものですが、一通り面接官とのやり取りのシミュレーションをして準備ができたと思ったら、最後にもう一度、面接の基本に立ち返ってみましょう。これは新卒の就職活動でも散々言われてきたことで、第一印象を良くするということです。
第一印象は、第二新卒の面接においても、やはりとても重要です。面接が始まるときに「この求職者は期待できそうだ」と面接官に思わせることができれば、その後の受け答えに関しても、好意的に受け止めてもらえる可能性が上がります。逆に、最初に面接官の心象を悪くしてしまうと、同じ返答をしていても悪い方向に勘繰られてしまうかもしれません。
第二新卒では特に、退職理由といったセンシティブな問題が重要になってきます。そこで面接官に、自分にとって都合の悪いことを隠しているんじゃないか、本心から言っていないんじゃないか、という疑いを持たせることになるのは大きなマイナスと言えるでしょう。
第一印象を良くするには、やはり身だしなみ、表情、声の大きさ、言葉遣いに気をつける必要があります。ここで注意するべきは、新卒の学生との差別化を図らなくてはならないということです。新卒の学生であれば、ビジネスマナーよりも、明るく溌溂とした表情や型通りのきっちりとした身だしなみの方が重視されるでしょう。
ですが、第二新卒は短いとはいえ、社会経験のあるビジネスパーソンです。社会人として、当然身につけているべきマナーや落ち着きが求められます。清潔感のある身だしなみや人当たりのよい表情は当たり前のこととして、さらにビジネスパーソンとして、一定のレベルにあることが伝わるような言動を意識しましょう。
面接官に良い印象を与えるコツとして知っておきたいのが、できる限りにシンプルにまとめて話すということです。何か質問をされて、簡潔で明快な答えが返ってくると、面接官はコミュニケーションがスムーズに進んでいるという心地よさを感じます。逆に、ダラダラと返答するのは、ビジネスパーソンとして相応しくありません。質問に対する答えの要点を、頭の中でまとめることができるスマートさが必要なのです。
とはいうものの、スマートな受け答えをしなければ、と過剰に身構えてしまうと、緊張して逆に考えがまとまらずに、ゴチャゴチャした返答になりがちです。基本的にはシンプルに答え、補足は省くというくらいの気持ちでいましょう。
もし伝わりきらなくても、必要なことであれば、面接官が重ねて質問してくれます。それに対してまた簡潔な答えを返す、ということを繰り返すのが自然な会話のキャッチボールです。面接においてもリラックスして、本来の自分らしさが出るように心掛けたいものです。
まとめ
第二新卒は新卒とは違うというものの、採用のときにはあくまでもポテンシャルを評価されると考えて問題ありません。面接官が退職理由や転職後のビジョンについて尋ねるのも、ひいてはその人物がどれだけ自社で活躍できる可能性を持っているかを探るためなのです。
ですから、第二新卒として面接に臨むときも、仕事の実績が無いからと、自信なさげな態度を取らないようにしましょう。第二新卒は短いながらも実際に社会人経験があって、そこから学び取ったものを新しい仕事に活かして成長することができる、とても魅力的な人材なのです。そのような視点で考えれば、面接対策で自身の経験や目標について分析していくうちに、きっと第二新卒としての自分の強みに気付くことができるはずです。
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