[最終更新日]2023年9月25日  [記事公開日]2021年10月28日

仕事を1年で辞めるのはあり?ベストな退職時期と転職までの流れ

新卒で入社したけど早々に退職したい…。しかしまだ1年しか経ってないし、これはただの甘えなのか?そう悩んでいませんか?

やはり勤続年数が少ないと印象はよくないだろうし、転職するにしても不利になるのではないかと悩んでいると思いますが、その真相とはどうなのでしょうか。今回のコラムではそんな仕事を1年で辞めるべきかどうか、またベストな退職時期と転職までの流れを解説していきます。

仕事を1年で辞めるのはありなのか?

仕事を1年で辞めるのはありなのか?

仕事を辞めたいという悩みは、勤続年数に関わらず、多くの人が抱えていることと言えるでしょう。たとえ入社してすぐという状況でも、既に辞めたいと考えている人は少なくありません。厚生労働省が離職率に関するデータを発表していますが、それを見ると、新卒1年目で離職した人の数は意外とたくさんいることがわかります。新卒1年目の中では、平均すると7人に1人が離職しているとも言われています。

退職というと、一般的には良くないイメージがつきまとうものです。「石の上にも三年」などという諺があるように、どんな仕事であっても、少なくとも3年は続ける忍耐力が賞賛されもします。しかし、それがすべての人に当てはまるのかと言えば、決してそんなことはないのではないでしょうか。もちろん、悩みや不満の種類、そして度合いによっても状況は異なりますが、それらが本人にとってとてつもない大きなストレスになっているのなら、時期にこだわることなく、離職するのは間違いなく選択肢の一つになると言えそうです。

人生は1回しかありませんし、いつまでも元気でいられるという保証はどこにもありません。ただ我慢して時間が過ぎているというのなら、それは到底おすすめできるものとは言えないでしょう。状況に応じて離職することも続けることも、同じくらい大切といって良いのではないでしょうか。

実際に入社1年目という早い時期に退職を決めた人には、さまざまな理由があります。よく聞かれるものとしては、残業が多いとか、その割には給与が低い、といった非常に現実的なものが挙げられています。確かに、一生懸命頑張ろうと入社しても、頑張りにあまりにも見合わないものしか返ってこないのであれば、それは見直す必要があるのかもしれません。サービス残業があまりにも多いとか、基本給があまりにも低いなど、さまざまな不満は離職の大きな要因となります。単に自分の考えが甘いとか、弱い人間だなどとは言えないケースもあるでしょう。

それから、働いている時間は1日の大半を占めるものなので、社内環境の良し悪しは大きな問題となります。そのため、人間関係が上手くいかないといったことは、離職理由には非常にたくさん挙げられています。また、ノルマやプレッシャーが辛い、というのも切実な問題となるものです。必死に頑張ってこなしても、次から次へとノルマを課され続けるという状況に、人はそう耐えられるものではないでしょう。社風や社内体制がそもそも自分の考えと合っていないというのも大きな問題になり得ます。

そして、仕事の内容が自分の希望するものとは違った、というのもよくある離職理由です。たとえ十分に調べてから入社に至ったのだとしても、入ってからでなければわからないことはあるものです。配置による違いということもあるでしょう。必ずしも希望通りの部署に配属されるというわけではないからです。その後も希望部署への異動の見込みが薄いとなると、早めに退職して希望が叶えられそうな会社に転職するというのは良い判断になるかもしれません。

1年で仕事を辞める時のベストな退職時期と転職の流れ

1年で仕事を辞める時のベストな退職時期と転職の流れ

1年目に限らず、会社を辞める時は、今が本当にベストなタイミングなのかを冷静に検討することが大切です。勢い余って退職してしまえば、のちのち後悔することになりかねないからです。

まずは、自分が仕事を辞めたいと感じる理由を思いつくままに書き出してみると良いでしょう。そして、どうすればそれが解消されるのか、解消される可能性がまったくないのか、といったことを考えてみてください。冷静になってみると、現在の状態が自分の思い込みに過ぎなかったということもあるでしょうし、工夫次第で意外とすんなり解決できることもあるかもしれません。

それから、自分がやりたい仕事、働き方というものも考えてみることです。今の会社では本当にできないことなのか、別の会社なら叶えられるのか、考えてください。また、たとえ叶えられたとしても、どこにでも大なり小なり、不満点はあるということも再認識しておきましょう。

誰かに相談するというのも一つの方法です。社内に信頼できる人がいれば、自分の状況もわかってもらいやすいですし、実践的なアドバイスを得られるかもしれません。とはいえ、社内の人に言うと、話が広まってしまう可能性があることを忘れないようにしましょう。退職話などは会社にとって決して良い話ではないので、その後の日々にストレスを感じることになりかねません。この人なら、という人がいない場合には、まったく関係のない学生時代の友人などに話をするのがオススメです。

どう考えても辞めるしかない、となれば、次に考えるべきは、辞めるタイミングをいつにするかです。会社は多くの人によって成り立っているものなので、急に人がいなくなると、周囲の人にしわ寄せが行って多大な迷惑になりかねません。退職する際には、退職日のだいたい2か月前までに意思表示をする必要があります。言い出しづらい内容ではありますが、期日を守ってしっかりと意志を伝えるようにしましょう。

一般的に、退職するのなら2~3月か、9~10月がベストタイミングと言われています。2~3月は年度替わりなので、転勤などで人が大きく動きますし、仕事の区切りとなる時期でもあります。また、9~10月も上半期から下半期になるタイミングなので、年度替わりほどでないにしても、人や仕事の流れに区切りができます。転職をする自分にとっても、求人数が増えて新たな仕事を見つけやすくなるでしょう。

退職前というのは、周りの人への引き継ぎなどで多忙になりがちです。しかし、転職活動は退職前からスタートさせておくのがおすすめです。入社1年目で辞めるのなら、退職金は見込めませんし、ボーナスも大きな金額とはならないものです。辞めてからの収入が途絶えてしまうことを念頭に置き、できるだけ早めに転職活動をするようにしましょう。

どうしても時間が取れないといった時でも、求人情報をチェックするだけはしておきたいものです。どんな求人があるのか、自分の希望するところから求人が出ているのか、といった下調べだけでもしておけば、その後の活動はスムーズになるはずです。お金がなくなって慌てて転職すると、すぐにまた退職ということにもなり兼ねません。短期間とはいえ、働いた経験を糧に、次こそ自分が活躍できる場を求めるようにしたいものです。

そして、退職の意向を伝えなければならないわけですが、その際はなるべく円満に行いたいものです。退職の伝え方によっては、最終出社日までの日々に大きな影響を与えかねないからです。角を立てないためには、前述したように、期日までに申し出るようにしましょう。

申し出る相手は直属の上司です。退職は非常に重要なことなので、2人きりになれる静かな場所に移動してもらい、丁寧に伝えることが大切です。上司に時間を作ってもらうことから、忙しい時は避けるようにします。切り出すのには勇気がいるものですが、「大変申し上げにくいのですが、現在、退職しようかと考えておりまして…」と言うのが良いでしょう。一方的に「退職します」というのではなく、仕事の運びなども配慮していることが伝わるようにします。

しかし、自分が退職を決めていても、すんなり受理されるとは限りません。引き止められるかもしれませんし、「○○まで待ってほしい」と言われることも考えられます。ただでさえ緊張して伝えているわけなので、自分は退職することを決めていること、次の仕事が決まっているのならそれも併せて、しっかりした姿勢で上司に相談することが大切です。

上司からは退職の理由を尋ねられることがほとんどなので、こちらもしっかり考えておきましょう。ここで、給与の低さや残業の多さといった理由は避けた方が賢明です。これらの理由は、「改善するから」と言われて退職できなくなることが少なくないからです。

考えておくべきことがたくさんあってストレスが溜まりやすいのですが、しっかりと乗り越えていきましょう。一生その会社にいようと思ったとしても、この先何があるかは誰にもわかりません。誰にでもいずれは辞める時が来るのだからと観念し、緊張を乗り越えるよう自分に言い聞かせましょう。

1年で仕事を辞める際の注意点

1年で仕事を辞める際の注意点

仕事を1年で辞める際、早い時期に退職していると、転職時に企業から不信感を招く可能性があります。面接ではほぼ間違いなく退職の理由が聞かれるものですが、1年未満となると、より詳しい事情を聞かれることもあるでしょう。理由によっては、採用してもまた辞められてしまい、再び採用試験を行わなくてはならなくなる、と受け取られることもあるからです。

そのため、前職に対して感じていた不満など悲観的なものを言うのはオススメではありません。それよりも、新しい会社に入ってからの展望などにつながるように述べるのが得策です。といっても、現実味のない夢のような話をしても逆効果なので、なぜ自分が退職したのかの理由とともに、客観的にとらえた今後のライフプランなどを説明できるようにしましょう。

このように、1年以内に会社を辞めるのは、他の人よりも不利な条件での転職活動になることを理解しておく必要があります。早期退職を頭から否定してしまう必要はないのですが、不利な立場でどのような自分をアピールしていけるかを考えるようにしましょう。

ある調査によれば、新卒1年で仕事を辞めた人で1年以内に正社員になれた人は30~40%、非正規雇用では40~50%という結果が出ています。ただし、この背景には男女による違いが少々あります。男性は正社員を希望するも非正規雇用での採用しか見つけられず、女性は自分に合う働き方を目指して、自ら非正規雇用を選択したというケースが多い傾向があります。女性の場合、仕事の内容もそうですし、自分の都合のよい時間に働けるという理由から非正規雇用を希望していることが少なくありません。このようなことを加味すると、正社員になれる可能性としての割合は、もう少し違ったものになると考えられます。

比較データとしては、新卒2~3年目で退職した人の転職が参考になるはずです。新卒1年で仕事を辞めた人よりも、新卒2~3年目で退職した人の方が、正社員になった割合は高くなります。また、割合の違いは女性よりも男性に顕著に表れています。1年で仕事を辞めるよりも2~3年で辞めた人が正社員になれる可能性は、男性の方がぐっと上がっています。

このようなデータがあることを知らないで早期に退職するよりも、厳しい環境になることを想定して退職する方が、心構えも違ってくるでしょう。もしも、何よりも正社員で働くことを希望しているのなら、1年目で辞めるより、もう少し居続けた方が良いという結論が出ることもあるわけです。または、転職活動を早めにスタートさせ、正社員が決まってから退職できるように、準備することも不可能ではありません。会社によっては入社日の相談に応じてくれるところもあるので、面接の際に聞いておくこともできます。

まとめ

入社1年で仕事を辞めるというのは、決して悪いことではありません。しかし、その場合のメリット・デメリットをよく考えてから、実行に移すことがとても重要です。自分の今後を十分に考え、一度切りの人生を自分なりに歩んでいくのなら、どんな結論でもそれ以上のものはないでしょう。

転職活動だけではなく、現在お世話になっている会社の事情に配慮することを忘れず、タイミングを見計らって退職に踏み切るようにしましょう。十分に備えていれば、きっと転職にも明るい兆しが見えるはずです。転職に関して悲観的に捉えず、前向きな気持ちを大切にしてください。

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