[最終更新日]2023年9月25日 [記事公開日]2021年9月15日
第二新卒とはいつまでのことを指す?
新卒で入社したものの、早々に転職を考えた場合、「自分は第二新卒なのかどうか」「そもそも第二新卒とは何なのか」と考えますよね。実際、第二新卒とはいつまでのことを指すのかハッキリにわかっていないという人は多いです。
では具体的に第二新卒とはいつまでのことを指すのでしょうか。今回このコラムでは第二新卒といえるのはいつまでなのか、その具体的な時期について解説していきます。合わせて第二新卒として転職を成功させるための秘訣もご紹介します。
第二新卒とはいつまでのことを指すのか?
学校を卒業して初めて社会人として就職する人は、新卒と呼ばれます。それに対して、一度新卒で就職したものの、短期間で会社を退職し、再び就職活動をする人のことを第二新卒と言います。新卒就職してからいつまでの期間なら第二新卒と呼べるかについては諸説があり、新卒就職から1年以内という説もあれば、3年以内なら第二新卒となるという説もあります。厚生労働省では「おおむね3年以内」を第二新卒の定義としているので、いつまでかという目安については、新卒から1年~3年と考えると良いでしょう。
例えば、高卒の人なら新卒就職は18歳ぐらいですから、第二新卒として就職活動をする際には、およそ21歳までが対象となります。一方、4年制の大学を卒業した人の場合だと新卒時の年齢が21歳程度ですが、浪人した場合なども考慮して、だいたい25歳ぐらいまでが第二新卒の対象となります。大学院を卒業した場合だと、約27歳ぐらいまでが第二新卒として就活できる年齢の目安となります。
このように、第二新卒となる年齢はあくまでも目安です。第二新卒は、年齢で決まるものではありません。23歳でも、高卒の人の場合には新卒就職してから既に5年が経っているため、残念ながら第二新卒として就職活動をするのは難しいでしょう。しかし、4年制の大卒なら、23歳という年齢は新卒からまだ2年程度しか経っていないので、第二新卒として就職活動ができる年齢の範囲内となります。
4年制の大学を卒業した人の場合でも、入学前の浪人や留年をせずにストレートに入学して4年間で卒業した人なら、新卒3年後の年齢は、だいたい24歳か25歳ぐらいとなるでしょう。しかし、浪人や留年をしたり、海外留学などで卒業が遅れたりした場合には、卒業時の年齢が高くなるため、必然的に新卒から3年が経過した時の年齢も高くなります。こうした事情はケースバイケースなので、あくまでも目安の範囲にとどめておきましょう。
第二新卒は、新卒とは大きな違いがあります。それは、第二新卒とは一度就職して社会経験がある人のことを指すのに対して、新卒は初めての就職という点です。学生の頃にアルバイトをしていたというのは、職歴にカウントされません。
卒業して短期間でも社会人として働いた経験があるということは、どういうことなのでしょうか?一度会社へ就職した経験があるということは、新人研修などを受けたことがあり、社会人としての最低限のビジネスマナーを心得ていると考えることができます。正しい敬語の使い方や電話対応など、仕事として即戦力となるようなスキルや専門知識はなくても、雑務をこなすぐらいのビジネスマナーはあるという点で、新卒よりも第二新卒は使い勝手が良いのです。
なお、新卒は学校を卒業した年に就職することが定義となっているため、卒業しても就職せずに年が変わってしまうと、働いた経験がゼロでも新卒枠での就職ができなくなってしまいます。
一度社会人として働いた経験がある第二新卒は、既卒とも大きな違いがあります。既卒というのは、学校を卒業してから正社員として働いた経験がない人のことです。つまり、学校を卒業してからアルバイトやフリーターなどで収入を得ていた人は、卒業してから3年以内でも第二新卒の枠ではなく、既卒の枠での就職活動となります。
就職活動においては、数年間社会人として働いてきた人がスキルや専門知識を生かして別の職場を探す、中途採用もあります。これは新卒には適用されないため、年齢や職歴などはケースバイケースとなります。中途採用では即戦力が求められるため、第二新卒のように基本的なビジネスマナーを身につけている程度では、残念ながら採用されるのは難しいです。
第二新卒として転職をするメリット・デメリット
第二新卒として就職活動をする1つ目のメリットは、異なる業界や職種への転職がしやすいという点が挙げられます。第二新卒は新卒と同じように、専門的なスキルや知識を求められていないからです。第二新卒は未経験者でも基本的にOKなので、中途採用と比べると、選べる業界や職種の選択肢は多くなります。
2つ目のメリットは、即戦力となることを求められていないため、プレッシャーはそれほど大きくないという点です。新卒と比べると、なぜ最初の会社を辞めたのかという質問が必ずあるため、その分だけプレッシャーは大きいかもしれません。しかし、専門的な分野に関する質問などはほとんどありませんし、内定をもらった後に即戦力として働くことを期待されているわけでもありません。
3つ目のメリットは、自分が希望する条件に合った会社をしっかりリサーチして転職活動ができるという点があります。新卒の時には実際に働いた経験がないため、自分がどんな働き方をしたいかという部分が分からずに就職することが多いものです。しかし、第二新卒では、実際に働いた経験から、自分はこんな働き方をしたいという方向性が分かるため、希望や条件に合った転職先を見つけやすくなります。
第二新卒は、企業にとってもメリットがあります。例えば、第二新卒はすでに新人研修を受けている人材なので、もしも新卒ではなく第二新卒のみ採用すれば、企業にとっては新人研修のコストをカットできるというメリットがあることです。大企業の場合には、第二新卒でも新卒と同じように、もう一度新人研修を受けさせるというスタンスが多いのですが、採用人数が少ない企業の場合には、第二新卒を採用して教育コストの削減するというケースもあります。
また、第二新卒は企業で働いた経験はあるものの、その期間はとても短いという特徴があります。そのため、特定の企業色にまだ染まっていない人が多く、企業にとっては育成しやすいというメリットもあります。企業はそれぞれ文化や社風などが異なりますし、考え方やアプローチ方法なども違います。即戦力として働ける中途採用を採用した場合には、専門的な知識やスキルという点では企業にとってメリットはありますが、職場の雰囲気やアプローチ方法と合わない可能性もあり、その場合には職場にマイナスの影響が出てしまうことも考えられます。
その点、第二新卒は新卒度ほとんど変わらない未経験な状態なので、働き始めてから育成しやすく、企業にとっては企業文化に合った人材に育てやすい点が魅力と言えます。ただし、第二新卒での転職活動にはデメリットもいくつかあります。デメリットを理解することで、転職活動では何に注意するべきかが分かるのではないでしょうか。
1つ目のデメリットは、面接においては必ず離職理由を質問されるという点です。新卒で就職した会社を短期間で退職したという事実は、企業にとっては不安な材料の一つとなるからです。「社風が合わなかった」「上司とトラブルになった」などネガティブな理由での退職だと、もしかしたら同じ状況になったらまた退職するのか、と考えてしまうわけです。
前職の離職理由については、実際にはネガティブな理由で退職した場合でも、面接では必ずポジティブな理由で答えなければいけません。こんな働き方をしてみたいとか、こんな業務に挑戦してみたいなど、あまり専門的な内容でなくても良いので、前向きでモチベーションが高い離職理由を事前に考えておきましょう。
2つ目のデメリットは、全ての企業が第二新卒の採用に積極的というわけではないという点です。企業によっては、新人研修が不要の第二新卒を歓迎するところもあります。しかし、中途採用ほど即戦力にならない第二新卒を採用するなら、働いた経験がゼロの新卒を採用したほうが投資効果は大きいのではないかと考える企業も少なくありません。新卒と第二新卒、選ぶならどちらを採用するかという質問に対して、60%程度の企業は新卒と答えています。
企業にとっての第二新卒採用のデメリットには、第二新卒は社会人として働いた経験があるため、働き始めてから前職といろいろな部分を比較されるかもしれないという点が挙げられます。職場の環境や仕事へのアプローチ方法、福利厚生などまで前職と比較され、不満を持たれる可能性も考えられます。
さらに、第二新卒は最低限のビジネスマナーは心得ているとはいえ、新人とほとんど変わらない未経験者です。そのため、即戦力として企業に利益を出すまでには、それなりに時間がかかってしまうという点もデメリットと言えます。ちなみに、今すぐに即戦力として働いて結果を出してほしいという企業の場合には、第二新卒ではなく中途採用を採用するケースが多いですし、少数精鋭の中小企業の中には、新卒や第二新卒は一切採用せず、中途採用のみを採用するという企業もあります。
第二新卒としての転職を成功させる方法
第二新卒として転職活動をして内定をゲットするためには、いくつかのポイントを抑えた仕事探しをすることが大切です。
1つ目のポイントは、第二新卒を歓迎する企業を探すというものです。上記の通り、全ての企業が第二新卒を歓迎しているわけではありませんし、新卒の求人募集は出すけれど、第二新卒は募集しないという企業もあります。こうした企業の場合には第二新卒は応募できないため、どうしてもその企業で働きたければ、中途採用枠を見つけて応募することになります。しかし、中途採用枠は即戦力として働けるための専門的なスキルや知識が必要となるので、第二新卒にとってはハードルが高いのです。
一方、第二新卒を歓迎する会社では、一定の第二新卒枠が確保されていることが多く、内定をもらえる確率は、第二新卒を歓迎しない企業と比較すると確実に高くなります。中小企業の中には、新人研修にかかるコストを削減したいという目的で、あえて新卒ではなく第二新卒に焦点を絞って採用する企業もあります。そうした企業を狙うのも、第二新卒の転職が成功する戦略と言えるでしょう。
2つ目のポイントは、第二新卒枠で転職活動をする場合でも、できることなら仕事を退職してからではなく、働きながら転職活動をしたほうがベターという点を理解することです。仕事を辞めてしまうと収入がなくなってしまい、1人暮らしをしている人ならあっという間に生活が困窮するかもしれませんし、場合によっては住んでいるアパートの家賃を支払えなくなる可能性もあるでしょう。そうした収入面でのリスクを最小限に抑えるためには、働きながら転職活動をして、退職するのは次の仕事が決まってから、という順序がおすすめです。
また、仕事を辞めずに転職活動することは、万が一転職活動が上手くいかなくても、無職になるリスクを回避できるというメリットもあります。第二新卒を歓迎してくれる企業はたくさんありますが、自分が希望する企業から内定をもらえるという保証はどこにもありません。万が一、会社を辞めてしまい、どこからも内定をもらえないとなると無職になってしまいますし、時間が経過するにつれて第二新卒の枠でも転職することができなくなり、仕事探しがさらに暗礁に乗り上げてしまう事態にもなりかねません。
まとめ
第二新卒とは、新卒で就職してから1年から3年の間に離職して、再び仕事探しをしている人のことを指します。新人研修を受けているので、社会人としての基本的なビジネスマナーを身につけているというメリットはあるものの、中途採用のように即戦力として働けるわけではありません。それに、企業の中には新卒で就職してから短期間で仕事を辞めてしまった理由が気になるというケースも多く、新卒よりは就職しづらいという事実もあります。第二新卒の転職活動を成功するためには、第二新卒を歓迎している企業を見つけるという点と、できることなら退職せずに働きながら転職活動をするという点に注意すると良いでしょう。
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