[最終更新日]2023年9月27日 [記事公開日]2021年8月26日
中途採用と新卒採用との違いとは?特徴と採用時期の違いなどを解説します
中途採用と新卒採用の違いをちゃんと理解していますか?
新卒という肩書を卒業し、これから中途採用で就活を望むわけですが、いまいち違いを分かっていないという人は意外と多くいます。きっとあなたもその一人ですよね。
しかし就活をする上ではそんな中途採用と新卒採用との違いをしっかりと理解していないといけません。では具体的に中途採用とは何なのでしょうか。
今回このコラムではそんな中途採用について解説していきます。新卒採用の違いから見る中途採用の特徴をしっかりとチェックしていきましょう!
中途採用と新卒採用との違い
新卒採用と中途採用のザックリとした違いは、企業が募集する人材の特徴や募集時期などにあります。新卒採用は、高校や大学を卒業予定の人を採用することです。つまり、企業からすれば、社会人としての仕事の経験やスキルがまだほとんど形成されていない人を採用する場です。
新卒採用の場合、卒業予定の1年程前か約半年にわたって就活をし、その後内定が決まる人が多いです。新卒採用をする時期や人数は毎年だいたい決まっており、日本において一般的に行われている方式です。基本的に年齢による制限はなく、ほとんどの場合は学校を卒業予定の学生、生徒から採用を決めるため、現役生でも浪人経験がある人でも、歳をとってから大学に入った人でも、基本は関係ありません。もちろん、キャリア形成の面からある程度の年齢制限はあります。
日本で新卒採用が一般的なのには理由があります。それは、就労経験が中途の人と比べてほとんどなく、その会社のルールや規則、ビジネスマンとしての考え方をどんどん吸収しやすいためです。一度他の会社にいた人はどうしても新しい会社の考え方になじめない人がいるため、新卒の社員の方が企業側としても受け入れやすいという視点もあります。
一方で、中途採用ではいわゆる即戦力、もしくは管理職を採用することができます。これが新卒と大きく違う点です。新卒採用の人は、まず社内のルールや社会人としてのマナーを身につけるべく、社内研修などが行われることがほとんどですが、中途採用の人は既に社会人経験があるため、初歩的な社会人マナーを学び直す必要はありません。さらに、同じ職種で働いていた場合、必要な知識や技術を既に身につけている場合が多く、新卒よりもすぐに会社に貢献してくれる大きな原動力ともなります。中途採用では育成のコストが削減でき、本人のやる気次第でどんどん成長するスピードが早くなるのも特徴です。
現在の中途採用事情
新型コロナウイルスが流行して以来、就職活動や転職活動、そして現在の仕事への影響が出ています。就職氷河期のように、就職先がなく、就活に難航している人もいます。
中途採用の場合は既に経験豊富で即戦力となるため、市場は比較的にぎわっている状態です。というのも、コロナの影響で大企業が採用控えをしたり、業績の悪化で収入が減った人が転職先を探したりと、人の流れに動きが出てきています。通常、優秀な人材や有名大学を出た人、中小企業で経験や知識を積んだ人たちは、大企業へと流れる傾向が強いです。しかし、その大企業が新卒はもちろん、中途の採用を見送っているため、転職活動をしている人の目指す方向性も変わってきています。
結論を言いますと、現在、中途採用がコロナの影響などから極端に減ってきているということはありません。中途採用を停止しているのは大企業が多く、中小企業はこれをむしろ好機と考え、求人を出している場合が多いです。
大手に流れやすい人材が中小企業にも獲得できるチャンスが上がるとなると、あえて中途採用を停止させる理由がありません。採用上でのライバルが減っていたり、転職希望者の動きが活発化しているのも、中途採用を停止しない理由です。
また、在宅勤務やwebを使った就活が浸透し始め、今まで転職に時間の取れなかった人たちも動きやすくなっています。地方に住んでいる優秀な人材も、在宅勤務者として採用することもできます。他にも、平時では絶対転職市場には出てこないような優秀な人材が動き始めていることもあり、コロナ流行中だからこそ、優秀な人材を確保して業績を保つ、もしくは回復させようとする企業は多い傾向にあると言えます。
オンラインによる就活や仕事が当たり前のような世の中になりつつあり、かつ転職者の動きも以前とは変化しているという点から、中途採用への躊躇いは少ないです。実際、今までと変わらない程度の求人を出している中小企業は非常に多いです。
一概に全ての企業の中途採用への考え方が今までと変わらない、もしくは積極的になったとは言い難いですが、転職市場全体を見てみれば、以前と変わらず求人が出回っているのが現状だと言えます。
新卒とは違った中途採用ならではの対策法
先述したように、新卒と中途採用では、根本的に評価している部分が違うと言えます。新卒採用を決める際、会社が見るのはその人のスキルや知識ではなく、学生時代にどのように過ごしてきたか、という点です。社会人経験が乏しい分、よほどの業績がない限りは学校の成績などから決まります。
つまりは、ポテンシャルによる採用が大きいということです。即戦力として望むのではなく、会社全体をこれから中長期にわたって支えてくれる人材を集めるための採用が新卒です。ですから、特別な知識がなくとも、やる気やこれまでのボランティア活動の有無、積極性などから採用が決まるケースも比較的多いです。
一方で、中途採用は違います。新卒とは違い、既にある程度の社会人経験を積んでいる前提で、会社も面接をするのが特徴です。つまり、中途採用を勝ち抜くためには、やる気やポテンシャルだけではうまくいかないことがあるのです。つまり、中途採用と新卒採用の採用の基準の違いは、即戦力での採用か、今後のポテンシャルでの採用か、です。
中途採用ならではの対策法とは、以下のように自分のスキルをどれだけ、最大限にアピールできるかどうかです。内容を具体的に簡略化すると、スキルレベル、経験度、社会への適応能力、中途採用の面接でのアピールポイントなどです。新卒採用ではここらのレベルが問われることが少ないため、中途採用を目指すのであれば、これらを長所としていると大きな強みになると言えます。
まず、面接官が見るのはスキルの程度です。中途採用の面接の採用基準の1つとして、応募者の持つスキルが自社とマッチしているのかを必ず確認しています。いくら優秀なスキルを持ち合わせていても、それが企業とマッチしなければ、即戦力としての見込みはありません。
例えば、学生時代に歴史がものすごくできた人でも、現場系の仕事に出るのに歴史の知識はほとんど必要ありません。パソコンの操作ができても、営業メインの仕事ではそれが活かせる仕事であるとも言い切れません。
このように、入社後に求めるスキルを有しているのか、数か月以内には結果を出してくれるのか、という点を企業側は見ています。新卒採用では、短期間で必ず成果を出してほしいと思う企業は少ないため、以下のスキルは中途採用において必須とも言えます。
スキルは大きく分類して3つに分けられます。
1つ目はテクニカルスキルです。会社にとって必要なスキルを有しているか、もしくはそれ以上の優秀なスキルを持っているのか、です。
2つ目のマネジメントスキルは、その名の通り、管理職を募集するにあたって必要なスキルです。若手の中途採用ではあまり求められるものではありませんが、年齢を重ねて経験を積むと同時に、このマネジメントスキルも磨いておくと役に立ちます。
3つ目は対人スキルです。社内はもちろん、社外にいる顧客や取引先の人と協調性をもって仕事に取り組むことができるか、です。
このようなスキルを有す人を、その会社独自の基準で判断し、面接を進めていきます。中途採用を狙うのであれば、自分の持つスキルや強みを最大限アピールできるように準備しておくことが大切です。
次に、経験値を問われるのも中途採用の特徴です。新卒であれば最初から社会人経験のないこと前提で話が進みますが、中途はどのくらいの経験を積んでいたのかを面接で見られています。
企業にとって中途採用をする大きな目的は、即戦力になる人材を確保することです。それは決して、スキルだけを持った人では達成できないのです。例えば、武器を持っていても、その使い方が分からなければ意味がありません。資格は持っているけど、実務経験はありませんと言っていることと同じです。
確かに、資格は自分の知識を目視できる良いアイテムですが、資格ばかりアピールしても、経験が乏しければ説得力に欠けます。転職市場では、経験に勝る資格はないという言葉があるほど、経験は即戦力になるかどうかの決め手でもあるのです。
だからといって、経験はあるけど資格はない人が有利なのかと言えばそうではありません。いくら経験があっても、資格を持っていなければ従事できない仕事もあるからです。資格も持っており、経験も積んでいる人こそ、即戦力として認められやすいため、転職活動もスムーズにいくことが多いです。
適応力も、判断基準として設けられていることがあります。チェックされるのは、柔軟性、忍耐力、協調性、規律を守ること、謙虚さなどです。人間関係で前の会社を辞めてしまった人ほど、転職希望先企業は警戒します。せっかく有能な人を採用しても、すぐ辞められてはただコストがかかっただけで損だからです。企業側もじっくりと聞いてくるため、面接の場で自分の過去をしっかりと振り返り、聞かれても困らないようにしておきましょう。
労働条件のミスマッチは、不採用となる可能性が高いです。実は、ここで採用を見送られる人も多くいます。新卒採用ではここをあまり見られませんが、中途採用では待遇に不満を感じて転職している人がいると企業側も知っています。そのため、とても優秀で、協調性もあり、ぜひとも即戦力として受け入れたいと思わせても、労働条件が合わなければ企業も雇うにも雇えません。待遇が違うとすぐに辞められてしまっては困るからです。
例えば、転職希望者が20代で年収500万円を希望していた場合です。その企業では40歳で500万円程度とだいたいの相場が決まっていれば、ミスマッチとして採用ができません。せっかく雇いたくても、給料や手当の部分で意見が合わずに採用を見送られてしまうのは、大変もったいないことです。
求人に応募する前に、なるべく自分の理想とする労働条件に合った企業を選ぶようにします。そうすると、労働条件で弾かれてしまう、という事態は免れることができます。
他に、中途採用ならではの対策として、集団面接で注意することがあります。集団面接は3~5人程度を同時に面接するため、他の人とよく比べられてしまいます。しかし、これを逆手に取り、自分が目立つことで面接官に記憶にも残りやすくなります。何故中途採用ではこの集団面接で注意しなければならないかと言うと、面接官が見ている部分がスキルや経験など、その人の持つ武器がどれだけのものかをはかっているからです。
新卒採用の集団面接では、よほどずば抜けた才能を持つ人は別ですが、それ以外の人は集団面接でスキルや経験で差を付けられることはあまりありません。つまり、企業側から見て今後活躍できるであろう人材を見極めているため、特別なスキルを持っているというアピールはさほど必要ないと言えます。
しかし中途採用の集団面接では、新卒採用とは違い明らかにスキルや経験などで評価されてしまうことが多いです。ただ、人と比べられやすい面接だからこそ、自分が即戦力となれるアピールができる場でもあります。新卒の集団面接とは違い、中途採用は実力でのし上がるために、自分の武器をしっかりアピールしていきましょう。
このように、ポテンシャル採用重視の新卒採用の時の対策とは違い、中途採用ならではの対策は沢山あります。どれを極めたらいいというのはありませんが、あくまでも企業が即戦力を狙っているということを念頭に入れておきます。
まとめ
中途採用は条件が悪い、求人が少なくなっていると思っている人もいます。しかし、現状を分析してみると、実はそこまで悪いものではありません。
採用とは、会社にとっての基盤作りです。この基盤がゆるゆるだと、会社は長く持ちません。人員増強や欠員補填など様々な理由で中途採用の求人を出している企業が多いですが、即戦力になれるというアピールとやる気と責任感を持って臨めば、転職活動はうまくいきます。
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