[最終更新日]2023年9月27日 [記事公開日]2021年7月28日
第二新卒は不利なのか?噂の真相と実情をプロが解説します
第二新卒は不利。
このような噂に不安を覚えていませんか?新卒入社後早々に退職したことで第二新卒として挑む転職活動。はじめての転職活動ということでそれだけでも不安でいっぱいなのに、「第二新卒は不利」という噂は余計に不安を大きくしてしまいますよね。
では実際、その噂の真相はどうなのでしょうか?
このコラムではそんな「第二新卒は不利」という噂の真相について解説していきます。これから第二新卒として転職活動を挑む人はぜひ最後までご覧ください。
まずは第二新卒の定義を知ろう
第二新卒とは、未だに確固たる定義が定められていませんが、一般的には大学を卒業してから企業に就職して、1年から3年目以内に転職活動を行う人材のことを指し示します。つまり、4年制大学を卒業した場合ですと、留年などがなければ22歳で卒業しますので、25歳までに転職を行えば第二新卒として扱われることになります。それに対して、新卒は高校や大学などの学校を卒業したその年に就職をする人のことを指します。どちらも同じ「新卒」という言葉を使用しますが、明確な違いは「社会人経験の有無」ということになります。
第二新卒の転職は不利なのか?
第二新卒の転職活動に関しては、さまざまな情報が錯綜しているのが現状です。そのため、「転職を考えているけれど、新卒と比べられて不利になってしまうのではないか」「そもそも需要はあるのか」などと転職を足踏みしてしまい、タイミングを逃してしまう人も少なくありません。一般的に少数派と勘違いされがちな第二新卒の転職ですが、実は3人に1人は第二新卒の期間内に転職を行っているのが現実です。第二新卒のタイミングで転職活動を行ったとしても、企業側から奇異な目で見られることはないので、安心してください。
伸びしろが大きく、活力のある20代の働き手はどの企業も常に欲しているため、有効求人倍率は常に1倍を超えているほど需要があります。そのため、20代での転職であっても狭き門であるというわけではありません。その中でも、第二新卒の期間内に当てはまる25歳前後の求人倍率は、他の年齢と比較してもかなり高いという傾向があります。以上のことから、第二新卒であっても決して転職では不利にならないということが理解できると思います。
それでは、なぜ第二新卒の需要があるのかについて、具体的に見ていきましょう。第二新卒には3つの市場価値があります。
1つ目は、新卒と比較した時に、教育にかかる時間とコストを圧倒的に削減できるという点です。第二新卒は前述の通り、就職してから1~3年ということもあり、社会人としての経験値は不足しています。しかし、新卒者と比べた場合は、一度は他の会社でビジネスマナーや一般的なスキル、立ち居振る舞いなどを一通り身につけていると認識されています。業種によって多少差異はありますが、名刺交換や電話応対のスキルなどはほとんどの企業で必要となる、いわば必須スキルです。
しかし、これらの基本的なことを新人に教育することは、会社としてはかなりの労力がかかってしまうことなのです。そのため、そういった人材育成にかける時間やコストが省ける第二新卒は、企業にとって喉から手が出るほど欲しい人材なのです。
2つ目はポテンシャルの高さです。転職を行うということは年齢問わず、現在のキャリア形成に思うことがある人が大多数を占めます。つまり、自分自身のキャリアをより良いものにしようと考えている傾向が強いということです。そういった求職者は仕事に対する意欲が高いため、企業側としても進んで獲得したい人材と言えます。さらに、第二新卒者は社会人生活が短いため、自分自身が今後どのようにキャリアを形成していきたいのか、より真剣に考える傾向が強いと言われています。このように、将来について明確なビジョンがあるということは積極的な行動が望めるため、企業側も前向きに採用を考えやすくなります。
そして、3つ目は経験値の低さです。第二新卒者は前述の通り、30代の転職に比べると、圧倒的な経験値の低さがネックとなります。このような見方をする企業にとってはデメリットになってしまい、第二新卒者の採用は難しくなってしまうでしょう。
しかし、企業によっては、この経験値の低さをポジティブな面として捉えている場合もあります。なぜならば、社会人経験が未熟であるということは思考が柔軟であり、一定の業種に染まりきっていないということだからです。思考が柔軟ということは、新しい職場に就職した際も、その企業のやり方を素直に学び、スムーズに仕事を行うことができるということです。このような素直さをアピールできるのは第二新卒の期間だけなので、これは大きなポイントとなります。転職する際に前職と全く異なる業種を選ぶ場合は、特にこのメリットを活かすことができるので、忘れないようにしましょう。
以上の3点が転職における第二新卒の市場価値です。この3点を履歴書や面接の際にアピールすることができれば、不利に思われがちな転職も有利に進めることができるでしょう。
このように、基本的には転職に有利な第二新卒ですが、しっかりと対策をしていないと不利になってしまうこともあります。それは「またすぐに転職してしまうのではないか」という懸念です。考え方によっては、第二新卒者は早ければ1年、長くても3年しか1つの職場にとどまっていないということになります。
それは見方によっては、忍耐力のなさや、やる気の無さ、そして自身の考えの甘さなどが浮き彫りになってしまうことになります。こういった企業側の懸念を払拭させるような対策が、第二新卒の転職を成功させるためには重要となります。特に、社会人1年目にして転職をする場合は、こういった見方で見られてしまう確率がぐんと高くなりますので、転職のハードルはかなり高くなるでしょう。
第二新卒が有利になるための方法
第二新卒者の転職市場における有利な面を活かすためにも、一番はじめに必ず行ってほしいことがあります。それは自己分析です。一度社会人として就職を成功させた第二新卒者なら、新卒の就職活動の際にも自己分析を行っている人がほとんどだと思います。そのため、「以前したことがあるし…」とおざなりになりがちですが、人間は環境や出会う人によって、気づかないうちに考え方などが変化していくものです。そういった自分の変化に気づくためにも、再度、現時点の自分の自己分析を入念に行うことが大切なのです。
自己分析を通してきちんと把握してほしいことは、社会人を経験したからこそ見えてきた、自分が本当に望んでいることです。まず、働く場所(エリア)です。自身の働く場所によって自身の住まいが決まるため、会社の立地以外にも、転職する際は自分がどんなところで生活したいかということも考えながら、エリアを選ぶことが大切です。
次に、どんな業界や業種で働きたいかです。転職を考えるということは、何かしら自分のやりたいことがあるはずです。もし、こういった考えがなく、なんとなく転職活動を始めようとしている場合は、少し思いとどまったほうが良いかもしれません。
そして、社会人を経験したからこそ、絶対に譲れないことは出てきているはずです。より良い環境に身を置くためにも、勤務形態や給与形態、会社の規模など、具体的に希望をピックアップしておくと、求人を探す際に役立ちます。もちろん全てが叶う企業が見つかることはほとんどないので、その中でも優先順位を決めておくと良いでしょう。
それから、10年後に自分がどうなりたいかをイメージしましょう。企業側が第二新卒を採用するのは、まだ若く、伸びしろが多いからです。その伸びしろは、本人が伸ばしていく意志を持つからこそ伸びていくものでもあります。目標や未来像がしっかりしている人の方が、そうでない人よりも輝いて見えるのです。
上記の項目を考えることは、自分が何のために転職をしようとしているのかを明確にすることと同じです。きちんと転職の目的が把握できていれば、面接の際の自己PRや受け答えで、しっかりと具体性をもって話すことができます。この具体性はその人の経験によって生まれるものなので、似たような返答になりがちな質問などで、ライバルとの差別化を図ることができます。自分のポテンシャルを高く見せることにも繋がりますので、自分のことをよく理解し、第二新卒の市場価値と絡めながら、上手に自分をアピールできるように頑張りましょう。
さらに、第二新卒の転職をスムーズかつ有利に進めるために、転職エージェントに登録しましょう。自己分析が終了したら、就活支援サービスの利用に移ります。なぜ自己分析が終わった後に利用するのが良いのかというと、きちんと自分自身の考えを整理することで、自分に合ったサービスを選択することができるからです。
就活支援サービスは、各エージェントによって、受けることのできるサービスが異なってきます。一番良いのは、自分の弱点をサポートしてくれるようなエージェントを選ぶことです。求人を探すのが苦手な人は求人の斡旋に強いエージェントを、面接に不安のある人は面接の対策がしっかりしているエージェントを、書類選考がネックな人は書類選考無しでエントリーできるエージェントを選ぶなど、上手に利用して、自身の転職に関する不安を少しでも取り除きましょう。
就活支援サービスは大きく分けると、新卒向けと転職者向けのサービスがあるので、第二新卒の方は必ず転職者向けのサービスを選んで利用しましょう。転職者向けのサービスの中には20代前半の第二新卒に特化したエージェントもありますので、その中からいくつか自分に合いそうなものを利用してみると良いでしょう。
そして、企業へのエントリーが済んだら、企業研究を行いましょう。やり方としては、新卒の就職活動の時に行っていた方法で概ね問題ありません。しかし、今回は転職という立場での就職活動であるため、より一層、自身と応募した企業の親和性の高さをアピールできるポイントを見つけることが鍵となります。転職は新卒と異なり、右も左も分からない人材は必要とされていません。
転職者を採用する企業が欲しているのは、これまでの社会人経験を自社で活かせる人材なのです。そのため、面接の質問の受け答えも新卒と同じようでは採用される確率は下がってしまいます。そうならないためにも、きちんと社会人経験をしたからこそ叶う視点で企業を分析し、自分がいかにこの企業と相性が良いのかを具体的に説明できるようにしておきましょう。
最後に、既卒者が最も注意を払わなければならないポイントがあります。それは、企業側の「第二転職の人はまたすぐに辞めてしまうのではないか」という不安を払拭する方法を考えていくことです。前述の通り、第二新卒者には最長でも3年間で仕事を辞めているという側面が必ずつきまといます。第二新卒の転職を成功させるためには、このネガティブな印象をポジティブな印象に転換できるような根拠が必要となるのです。
それらの根拠は、自身の能力や転職理由、そして応募する企業によって異なるので一概には言えませんが、例として挙げるならば、転職希望先の業種に関わる資格などをこの転職のために取得したというエピソードや、現在の職場で気づいた自分の強みを転職希望先の企業でなら十分に発揮できることを伝えられるようなエピソードが望ましいと言えます。相手の不安を拭い去ることができればどんな方法でも構いませんので、必ず1つは「私はすぐに辞めたりしません」ということををアピールできる根拠を用意しておきましょう。
まとめ
現在、多くの企業が若手の労働力を欲しているため、第二新卒の需要は高まっています。しかし、就職活動は新卒、既卒問わず、とても大変な活動です。なんとなくで始めてしまうとなかなか思うように進まず、疲弊して終わるということも少なくありません。特に第二新卒の場合、働きながら転職活動を行うことも考えられます。計画的に転職活動を進めていくためにも、転職活動を始める前に、なぜ今の会社を辞めたいのかを今一度しっかりと確認するようにしましょう。その決意が強いのであれば、それは転職活動への活力に転換され、自身の望んだ新しいチャンスを掴み取ることができるでしょう。
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