[最終更新日]2023年9月27日 [記事公開日]2021年7月28日
【例文あり】第二新卒の面接で自己紹介を完璧に答える方法教えます
2020年初頭から始まったコロナウイルス感染拡大は、社会の働き方を大きく変化させました。感染拡大を防ぐために世界中でロックダウンが行われたことに伴い、日本では絶対に無理だと言われていた在宅でのリモートワークも、蓋を開けてみたら、何て簡単だったのだろうと拍子抜けするほど、あっさりと浸透しました。
しかし、やはりリモートワークを在宅で行えるのは、給与面も福利厚生面も非正規社員とは比べ物にならない好待遇を得ている、正社員に限った話であることは言うまでもありません。契約社員や派遣社員は、そもそも一部を除いてリモートにて代替可能である業務に就いておらず、今回のコロナ禍による大きな負のインパクトをまともに受けていると言っても過言ではありません。
企業が雇用負担を軽減できる非正規社員の採用幅を広げられる法律が制定されて以来、日本社会の3割を超える人々が非正規社員となり、不安定な生活を強いられるようになり、これまで以上に、若者の正社員採用を目指す就職活動は活発になりました。また、若者の数がそれ以上の年代層と比べて圧倒的に少なくなってきた結果、企業はその組織バランスを保つために、これまで以上に20代の採用に積極的になりました。
このような複雑な社会環境が絡まり合って、従来の一つの企業に就職して一生を勤めあげるといった終身雇用の面影は消え去り、現代の若者の企業への忠誠心は確実に低下しています。若者も企業を選べる時代になり、一つの企業にしがみつく価値観もなくなりました。嫌になればすぐに辞めるという風潮が当たり前になり、直近の厚労省のデータからは、新卒入社した3割が3年以内に離職していることが判明しています。そして、その動きに伴って第二新卒というカテゴリーが、転職市場で一般化するようになりました。
第二新卒における面接の目的と判断基準
第二新卒とは、新卒で入社して3年以内に離職したような、まだ20代の若い転職希望者の総称です。現代の若者は、前述の通り、我慢してまでその企業にしがみつくことはせず、さっさと見切りをつけて転職活動に取り組む柔軟性を身につけています。企業の立場からすると、採用してもまた離職されてしまうのではないかという懸念は払拭できませんが、前職における研修によって、社会人としてのマナーやスキルの基礎をひと通り身につけているため、改めて研修に時間も費用も投入しなくてよい面も考慮しています。
この、いつ辞められてしまうか分からないリスクとともに、 いわば即戦力の20代であるというメリットも捨てがたく感じており、どちらに人事としての判断軸を置くかの割合は、それぞれの企業によって個性が生まれる部分でしょう。よって、企業は第二新卒のリスクとメリットの両面について、面接を行う中で見極めたいと意図しています。新卒との大きな違いは、まさにこの2点にあると言えるでしょう。
大学を卒業見込みである新卒の面接においては、入ってすぐに辞めないだろうかというリスクに関する評価は行うでしょうが、第二新卒ほどの確率では考えないでしょう。厚労省のデータが示す通り、7割の新卒者は3年以上の勤務が期待できますので、人事部はその割合を8割、9割まで高めるために努力するはずです。
また、日本企業は、新卒採用者をその企業のカラーに染めるような社員教育を施します。その前提で、カラーに染まりにくそうな人材を面接で選別する傾向があります。即戦力としての期待値よりも、いかに企業になじめる人材かという見極めが重視されています。
こうした新卒との差異を意識すれば、自ずと第二新卒が面接時にチェックされるポイントが見えてくるはずです。最低限として、面接を受ける企業を辞めない気持ちと、その根拠を提示する必要があるでしょう。企業側の懸念材料を払拭し、前職の退職理由がその企業では懸念材料として当たらないという安心感を与えることも必要です。そのためにも、前職の退職理由は簡潔で明快であり、面接官が納得しやすい論理が求められます。
また、第二新卒として、採用する企業がメリットに感じる社会人としての一般常識やマナー、実務経験について、詳しく説明できる準備も必要です。この点があいまいだと、企業側の第二新卒を採用したいという動機を薄めることになってしまいます。
第二新卒が自己紹介で述べること
その面接の中では、第二新卒という立場を最大限にアピールするための自己紹介も、非常に重要なパートです。初めの3年間に前職を辞めたという事実が、ポジティブな理由によるものであることを分かりやすく伝えなくては、採用には至りません。高校から大学にかけての部活動やボランティア活動などの実績を盛り込む上でも、全て前職の経験を経て、今の企業に応募しているという一貫性が求められます。これまでの経歴から浮かび上がる人間性と絡めて、説得力を持たせる部分が、第二新卒の自己紹介で述べられるべきでしょう。
まずは第二新卒のメリットの部分である、社会人としてのマナーや常識を身につけていることを体現する、立ち居振る舞いを常に意識しましょう。大抵の面接では、初めのパートで自己紹介の披露を求められます。つまり、第一印象を決定づける重要なパートでもあるわけです。明朗快活な口調と態度であることは最低限として、さらに第二新卒への懸念を払拭するための誠実な雰囲気も醸し出す必要があります。
具体的には、落ちつきを持って、面接官の目を真っすぐに見て、ほほ笑みを浮かべるような柔和な表情を伴っていなければ、何を言っても空虚に聞こえてしまいます。目を忙しなくキョロキョロさせていたり、貧乏ゆすりをしたり、人見知りをして相手の目を一切見られないようでは、どんな美辞麗句を並べても一切信用してはもらえないでしょう。
この観点から、もちろん話す内容自体も重要ですが、その前に面接に臨む姿勢が問われるということです。こうした面接の練習を自分一人で行うことは難しいでしょうから、大学の恩師を頼ったり、プロフェッショナルの転職エージェントに登録してコンサルティングを受けるなど、然るべき人々の協力を仰ぎながら準備を行うことが大切です。
さらに、自己紹介の中で述べるメインのトピックは、大学での専攻についてと前職での経験を連動させることで、説得力のあるアピールが可能になるでしょう。まだ数年の社会人経験を過小評価も過大評価もせず、誠実に説明することに成功すれば、第二新卒者の好感度は上がるに違いありません。
新卒の場合は、この社会人経験を一切語れませんので、第二新卒として力を入れるべき内容は、前職で具体的に何を経験してきたかを分かりやすく説明できることに尽きるはずです。もし、あまりにも学生時代の話ばかりに終始すれば、面接官である人事担当者は、前職で語れる成果が何もなかったのかと不審に思うはずです。
印象が良くなる「自己紹介」の答え方
企業の海千山千の人事担当者相手に、ほんの数年の社歴を誇張気味に披露しても、話を盛っていることなどすぐに見破られてしまいます。そこから生まれる感想は、不誠実の1点に尽きます。初めからそのような負ける勝負を挑むのではなく、あくまで誠実に、経験してきたことをポジティブに具体的に話せばよいのです。
もし失敗をしたというようなネガティブな経験があるのなら、それを正直に披露して、むしろそこから何を学んだか、次にどのように生かしていくつもりであるかを自己紹介に盛り込めれば、人事担当者の受ける印象が悪くはならないはずです。新入社員が失敗を一切しないなど、人事担当者が信じるはずがありません。失敗を隠そうとすればするほど、第二新卒として前職を辞めた非が自分にあるかのような印象にさえなってしまうでしょう。
大切なことは、隠し事をせず、社会人として経験したありのままを話すことです。また、自己紹介の目的は、自分の経歴を説明することですから、どういう部署でどういうタスクを行ってきたか、その経験から何を学んできたかということを中心に話す必要があります。それ以上の個人の強みなどの資質については自己PRの範囲になり、人事担当者によっては質問の意図と異なる回答であると判断し、コミュニケーション能力について低く評価されるリスクもあるため、しっかりと整理して準備しましょう。
【例文】自己紹介の答え方
第二新卒が行うべき自己紹介の立ち居振る舞いやトピックについて、前述した内容に沿った以下の例文から、より具体的なイメージを膨らませられるでしょう。社会人としての礼儀作法を含めたマナーを意識し、新卒とは異なる観点から求められている内容に言及することも忘れないように準備しましょう。もちろん、相手にしっかりと聞こえる大きさの明瞭な発声で行うことも忘れてはなりません。
「この度はお忙しい中、御社の面接の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。〇〇と申します。私は〇〇大学で国際経営を専攻し、日本企業と欧米企業、またアジア各国の企業におけるそれぞれの商慣習の違いについて研究し、その差異を知ることによって、どのように円滑なビジネス上のコミュニケーションを構築できるかを基に、国際的な人材を育成する方法論について研究していました。
2017年卒の新卒として、グローバルな環境で活躍できる企業を中心に就職活動を行い、〇〇株式会社より内定をいただきました。新入社員として入社し、3カ月に及ぶ新入社員研修を受けた後、国際営業部に配属されました。研修では社会人としてのマナーについて教えていただいたおかげで、その後のクライアントを訪問する機会にも自信を持って臨むことができました。
また、国際営業部に配属されるために、TOEICで860点以上を取得する条件が課されていましたので、研修期間中に受験し、二度目の挑戦で880点を取得し、晴れて配属されるに至りました。大学での専攻と得意の英語を生かせる部署に配属されたと喜んでいたのですが、実際の業務で英語を話せる機会は少なく、海外の企業とのビジネスの規模も期待していたダイナミックさではなく、国内市場にシフトしているようでした。
しかし、海外支店やクライアントとの英語でのeメールのやり取りは毎日の業務の一環でしたので、英語でのビジネスメールの作成と、英語のビジネス文書を読む速さについては、大幅なスキルアップを図れました。
入社から3年が経過し、私の望むグローバルな環境で働くという可能性がさらに薄れてしまったことに気付いたため、自分自身の経験とスキルをより発揮するために、今回の転職への運びとなりました。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。」
まとめ
第二新卒は、また辞めてしまうのではないかというリスクと、社会人経験を既に積んでいる即戦力の20代という、組織の年齢構成バランス上で日本企業が最も採用したがっているというメリットの両方の特徴を持っている存在です。企業としては、採用しても自社も辞められるのではという懸念を払拭できるだけの正当な退職理由を見出したいと望んでいるので、その点をいかにクリアに説明できるかが、採用されるための1つ目の課題です。
そして、既に社会人研修を受け、数年の実務経験もあるという、第二新卒の最大のメリットである即戦力としてのアピールを簡潔に効果的に行うことがもう1つの課題です。
新卒とは異なるこれら2つのポイントをしっかりと押さえ、ほんの数年の社会人経験を過小評価も過大評価もせずに、誠実に経験を説明できるバランス感覚が求められます。前職の退職を負い目に感じさせず、したたかに、何を学び、転職先でどのように経験を生かして貢献できるかという未来志向の抱負を語れるかどうかが、第二新卒としての採用の決め手になるはずです。
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