[最終更新日]2023年9月29日  [記事公開日]2021年7月28日

第二新卒でも大手企業に入社できるのか?大手への転職成功のカギ

新卒入社した企業を早々に退職し、第二新卒として転職活動。せっかく入社したのにすぐに退職してしまったということは企業選びに失敗したわけですから、次こそいい企業へと入社したいことだと思います。

その中でもやっぱり大手企業って魅力的ですよね。しかし新卒入社した企業を早々に退職したということで経歴としてはあまりいいものではないように感じることもあり、「第二新卒で大手企業なんて無理」と思っていませんか?

では実際、第二新卒で大手企業への入社は可能なのでしょうか?その新卒について確認していきましょう。

第二新卒が大手企業に入社するのは厳しいのか?

第二新卒が大手企業に入社するのは厳しいのか?

第二新卒が大手企業に入社するのは不可能ではないですが、厳しいというのが現実です。なぜなら、大手有名企業の場合、新卒で入社を希望する人も多いため、新卒採用で人材が足りているからです。ですから、第二新卒を採らない大手企業も多いです。また、大手企業の場合、新卒採用では学歴を重視する傾向があります。

それに準じて第二新卒でも学歴がチェックされます。応募が多い場合、すべての人と面接ができないので、書類選考するわけですが、その際に学歴は非常にわかりやすい選考基準になります。また、第二新卒を募集していてもすべてがポテンシャル採用だとは限りません。ポテンシャル採用とは経験や実績を重視せず、将来性重視で採用するやり方です。第二新卒可とあっても、一定の経験やスキルが求められている場合もあります。

ですから、応募する前に応募資格をしっかりチェックする必要があります。日本の企業は9割以上が中小企業で、大企業はほんの一握りしかありません、その中で、第二新卒を積極的に取り入れている限られた数の大企業を狙うわけですから現状からしてかなり厳しいと言わざるを得ません。

第二新卒を受け入れる企業の特徴と目的

第二新卒を受け入れる企業の特徴と目的

第二新卒を積極的に受け入れている業界の1つはコンサルティング業界です。コンサルティングファームでは第二新卒に対して専門的なスキルはあまり求めず、就職した後は新卒同様に一定期間の研修を実施します。その後、初めはアナリストとして働きます。

アナリストは市場の調査やその分析を行いますが、最初は先輩や上司などから指示されたことを調査し、慣れてきたら自分から市場の調査や分析を行います。アナリストの仕事をこなせるようになったら、顧客に対して経営上のアドバイスを行ったり、プロジェクトの指導をするコンサルタントとして働くことができます。

このように、コンサルティングファームに就職したとしても、最初からコンサルタントとして働くわけではないので、ポテンシャルがある未経験の第二新卒を積極的に採用するところが多いです。また、仕事にスピードが求められたり、業務時間でハードな面もありますが、少しでも企業で働いたことのある第二新卒なら大きな問題にはならないと判断されるでしょう。

過去に第二新卒をうまく育てて成功している企業もあるのでそういうところでは、積極的に採用しています。第二新卒は経験は少ないですが、比較的容易に会社の文化に順応することができるという点もメリットとしてとらえられています。

コンサルタントファームが第二新卒の採用に積極的なのは、この業界が急成長しており人材不足になっているからでもあります。新卒採用で優秀な学生を採用することに重きを置いたため、予定人数を採用できなかった企業が第二新卒を募集したり、短期間で辞めた新卒者の補充のために募集するということもあります。

第二新卒を積極的に採用しているコンサルティングファームの1つにアクセンチュア株式会社(Accenture Japan Ltd)があります。ホームページの第二新卒の募集の説明には、新卒採用入社と同様の研修を実施することが示されており、研修では議事録や提案資料の作り方だけでなく、ロジカルシンキングに関するトレーニングもあります。その後も各種トレーニング・勉強会などが準備されているので中長期的なサポートが受けられます。

第二新卒を受け入れているもう1つの業界はIT業界です。こちらも人材不足が深刻です。経済産業省のIT人材需給に関する調査によると、IT業界の人材不足は、2030年には低位シナリオで約16万人、中位シナリオで約45万人、高位シナリオでは約79万人と試算されています。ですから、IT業界は売り手市場で、第二新卒にとっても就職しやすい業界です。

IT業界の大企業では、キャリア採用ということで即戦力になる人材も採用していますが、同時に将来性のある若手を社内で育てていこうという動きがあります。大企業であれば、資金が豊富なので教育コストを十分確保でき、蓄積した教育リソースもあるので、短期間で戦力に育てることができるからです。

IT業界で特に需要が高いのはプログラマーやシステムエンジニアですが、それだけでなく高度ICT人材も需要が高くなっています。高度ICT人材はクラウドコンピューティングやビッグデータ等のICT(情報通信技術)に対応できる人材です。総務省でも高度ICTの育成に力を入れて高度ICTマネージメント人材育成教材等を希望する企業に対して無償で配布しています。第二新卒はまだ、若く順応性もあるので、IT企業で働いたことがなくでも、教育プログラムに参加することで必要なスキルを比較的短期間で身に着けていくことができます。

IT業界で第二新卒を採用している企業の1つにヤフーがあります。ヤフーでは、新卒、既卒、第二新卒にかかわらず、30歳以下なら応募できる「ポテンシャル採用」を1年を通して行っています。対象は社会人経験が半年以上4年未満の方となっています。ポテンシャル採用を行うのは、就業経験を重視せず、第二新卒や新卒にも平等な採用選考機会を提供するためです。また、海外留学生や博士号取得者など就職活動をする時期に幅が出てきているため、通年で募集するという形をとっています。

また、サイボウズにもポテンシャル採用があります。IT業界未経験、職種未経験でも応募することができます。キャリア採用の募集では要件を満たせていないもののITに興味があるという場合には、ポテンシャル採用から応募することができます。

第二新卒が大手企業に受かるための対策法

第二新卒が大手企業に受かるための対策法

一口に大手企業と言っても採用難易度が異なるので、自分が希望している企業について理解を深めるための企業研究が必要です。企業研究のためには情報収集が必要ですが、インターネットで収集すればコストもかかりませんし、隙間時間を利用して情報を収集できます。インターネットで調査するときにはまず、希望する企業のコーポレートサイトを調べます。

そこには会社概要や企業理念、事業内容、プレスリリースなどが掲載されているので、どんな企業なのかをおおまかにつかむことができます。また、求人や採用に関するページもチェックしましょう。募集職種や仕事内容、勤務地や給与、賞与などの情報が載っています。

その他に参考にできるのは口コミサイトです。口コミサイトでは、その企業で実際に働いている社員、過去に働いたことがある社員の口コミを見ることができ、社内環境や働きやすさなどをチェックできます。また、ニュースサイトを見ると、その企業が客観的にどう評価されているか、どんな点が注目されているかを知ることができます。ウェブ上で十分な情報が得られない場合は、パンフレットや書籍なども活用できます。

また、OB・OG訪問で情報を収集するという方法もあります。情報は多いほどいいのですが、時間も限られているので、スケジュールを立ててそれに沿って情報収集をする必要があります。また、取捨選択しながら自分にとって必要な情報だけを集める必要もあります。情報を集めながら、自分がどのようにその企業に貢献できるか、自分自身のやりたい仕事をできるのかといった観点で分析していきます。

第二新卒が大企業に受かるには面接対策も重要です。志望動機は企業分析で明確になっていますが、それをどう伝えるかを十分考える必要があります。第二新卒採用の場合、面接官はスキルや実績よりもやる気とポテンシャルを重視しますが、志望動機を述べる中でこれらのことが面接官に伝わるように話さなければなりません。企業分析を十分行っていてその企業の業務内容等を十分理解したうえで志望動機を述べれば、高い評価を得られます。

志望動機を話す時にはまず、結論から述べます。「~という理由で御社で働くことを希望しています。」その次に「なぜ~に興味を持ったかというと…」というふうに説明を加えていきます。それから自分の目標と志望企業の業務内容や理念などが一致していることを話し、最後に入社後の意気込みを話します。

ポテンシャルに関しては、自主性や思考力の高さ、根気強さ、素直さなどが見られます。採用担当者は、質問に対する答え方、言葉遣いや表情などをチェックするでしょう。こうしたことは、面接の時に急にできるものではありませんから、日ごろから、家族、友人、同僚、上司と話すときに、よく考えて適切な表現で話せるように心がける必要があります。

自己PRの言い方も大企業に受かるための重要なポイントです。面接の冒頭で自己紹介と共に自己PRが求められることが多いので、この時に採用担当者に良い印象を与える必要があります。ここで、失敗してしまうと志望動機や退職理由などの説明もあまり好意を持って聞いてもらえません。自己PRは長々と述べずに簡潔に述べます。言いたいことを上手にまとめる能力はビジネスパーソンとして必要なスキルです。また、たくさんのことを言うと自分のPRポイントがぼけてしまって相手の心に響きません。

ですから、自分が自信をもって言えるものだけに絞って話すことが必要です。一定の経験がある場合はそれを話せますが、経験の羅列にならないように気を付けましょう。今まで、どういう気持ちで取り組んできたのか、その結果、どんな成果があったかなどを話します。実績があるなら具体的な数字で示しましょう。特に経験がない場合でも、これからどんな気持ちで取り組んでいきたいか、自分がどんな点で会社に貢献できる可能性があるかを話すようにします。

面接では、転職や退職の理由も聞かれるので事前に準備しておきましょう。転職や退職の理由については、ネガティブな理由で辞めたとしてもポジティブな表現に変えるようにします。たとえば、残業が多くていやでやめた場合でも、プライベートと仕事のメリハリをつけながら仕事に打ち込みたいということができます。通勤時間が長くつらくてやめた場合でも、通勤にかかる時間を減らしてその分仕事に打ち込みたいと積極的な要素をプラスして話します。

また、退職したのは会社のせいと責任を転嫁した言い方を避けます。事実かもしれませんが、自分の努力やスキルの足りなさを会社のせいにしているというマイナスの印象を与えてしまいます。言い方次第でかなり印象が変わりますから、何を言うかだけでなくどのように話すかも十分考えて準備しておきましょう。また、退職理由と志望動機に一貫性があることも必要です。前職では、この点で自分のしたいことができなかったためこの企業でそれを実現させたいという点が伝わるように話しましょう。

面接では服装や身だしなみ、挨拶の仕方、振る舞いも重要です。第二新卒は企業で働いたことがあるので、一定のビジネスマナーが身についていることが期待されています。面接中はもちろんですが、受付時や控室で待っているとき、入室時、退室時のマナーもチェックされるので、基本的なマナーが身についていないと感じるなら、面接までにしっかりと調べて練習し、面接できちんとできるようにしておきましょう。

まとめ

第二新卒が大企業に就社するのは、新卒に比べてハードルは高いですが、可能性は十分にあります。必要なのは、なぜこの企業に就職したいのか、なぜほかの企業ではだめなのかという点を自分の中ではっきりとさせておくことです。ここがあいまいだと、大企業への転職や就職は難しいです。また、高望みをせず、自分の現状に合った企業を選択することも成功のカギです。十分考えたうえで、今のところ、大企業への就職は難しいと判断するなら同業種の別の企業で2~3年働いて、キャリアを積んでチャレンジするという方法もあります。自分の人生設計をしっかりと考え、最善の選択をしていきましょう。

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