[最終更新日]2023年9月29日  [記事公開日]2021年6月23日

転職理由がコロナの影響の人向け!面接で上手に答えるコツをプロが教えます

コロナで会社の業績が傾き、思ってるより給料が低くかった。コロナのせいで入社早々退職を勧められた。今年はこのように“コロナ”が原因で転職する人が多くいます。

ただそんなコロナの影響から転職をする上で、「面接で上手に答えられない」と頭を抱える人は多くいます。たとえコロナが影響だとしても、その理由を自分の口から説明しなくてはなりませんので、うまく答えられないと悩むのは当然のことでしょう。

しかし、そのままでは転職活動を成功させることができませんので、しっかりと対策しなくてはなりません。では具体的にどのように答えればよいのでしょうか。このコラムからチェックしていきましょう。

コロナ禍における転職市場への影響とは

コロナ禍における転職市場への影響とは

2020年に入ってから世界中に大きな混乱をもたらし続けている新型コロナウイルスですが、その影響は転職市場にも及んでいます。ある調査では、2020年2月〜2020年10月までの8ヶ月間にコロナの影響を受けて倒産した企業は全国で600件以上にものぼることが判明しています。

その期間中に倒産した企業の業種を見てみると飲食業が圧倒的に多く、次に多いのがアパレル関連、宿泊業となっています。これらの業種に共通する倒産の原因は、コロナの感染予防のために客側が外出を自粛したり、店側も休業要請に応じたりすることで店から客足が遠退き、売り上げが激減したということです。

また、飲食業や宿泊業が倒産したことで、そこに関わっていた食品卸業や食品製造業なども相次いで倒産しています。さらに、一見コロナの影響を受けていないイメージがある建設業についても、実は倒産している企業は少なくはないのです。このように、コロナによるダメージは様々な業界に広がっています。

忘れてはいけないのは、先程述べた600件以上という倒産件数はあくまで2020年2月〜2020年10月までの数字であるということです。それ以降も倒産した企業が後をたたないことは容易に想像することができます。倒産する企業が多いということは、同時にコロナによる影響で仕事を失ってしまった人も多く存在しているということになります。

しかし、仕事を失ってしまった人の再就職は簡単ではありません。日本でもコロナの感染が拡大し2020年4月に緊急事態宣言が出されると、多くの業界で先々が見通せないという理由から中途採用が中止となり、そのため2020年4〜5月の求人数は例年に比べると明らかに減少しました。それに加え、今後倒産する恐れのある企業で働く人や、働く企業のコロナ対策に疑問や不安を感じる人などが離職する決断を下し、転職を希望する人は増加しました。これらにより、求人数は減少しているのに転職を希望する人は増加しているというアンバランスな状態となってしまい、結果として転職活動をしても採用される確率が低くなってしまったのです。

コロナが流行する前と後では、転職市場の業界状況にも変化がみられます。コロナが流行する前は比較的一年を通して中途採用の募集があった飲食業、宿泊業、小売業、製造業などはコロナの影響で休業を余儀なくされたり、業績が著しく悪化したりした企業が多くあり、それに伴い求人の募集も少なくなっています。

それだけに留まらず、これらの業界で働いていた人々の多くが、コロナが原因となって転職しなければならない状況となったり、自ら転職をする判断を下したりすることとなりました。反対にコロナの影響をあまり受けずにコロナ後でも積極的に求人の募集が行われ続けているのがIT・WEB業界です。コロナ禍でIT・WEBを活用しようと考える企業が増え、そのニーズは高まる一方です。

コロナが原因による具体的な転職理由

コロナが原因による具体的な転職理由

コロナが流行する前と後では転職する理由にも違いが生じてきています。コロナが流行する前の転職理由として多かったのは、業務内容に不満があるというものでした。次いで多かった転職理由は、キャリアアップのため、給与や待遇に不満があり転職して改善したいこと、職場の人間関係や雰囲気が良くないということなどが挙げられました。

しかし、コロナが流行した後では、給与や待遇に不安・不満があったり、会社や業界の将来に不安を感じているためという転職理由が特に多くなりました。次いで、業務内容に不満を持っている、スキルアップしたいという理由が挙がっています。給与や待遇に不満があったという人の多くが、コロナの流行が会社の経営状況に悪影響を与え、結果として個人の収入にもマイナスの影響を及ぼしたという認識を持っています。

給与がカットされたり賞与がなしになったりすると日々の生活にも影響が出てきてしまいますので、収入に関しては特に不安を感じやすい要素であるということができます。また、会社の経営状態が悪化したことにより倒産する企業が出てきたり、倒産まではいかなくても自主退職を募る企業も出てきたりと、会社や業界に対する不安も高まりました。

さらに給与の面だけでなく、会社側が進んでコロナ対策を行わないために、感染のリスクという不安を抱えたまま働かなければならないという状況に危機感を覚えたという人も少なくないようです。例えば、外出自粛要請によりリモートワークという働き方が推奨されるようになりましたが、会社側はリモートワークを推奨していないために毎日通常通り満員電車に乗り、感染に怯えながら出社せざるを得ないなどというケースがそれに当たります。

これらのことから、コロナが流行する前に転職を考えていた人々は給与や待遇よりも業務内容を特に重視している傾向にありましたが、コロナが流行した後では給与や待遇、会社に対する不安感を持ち、業務内容よりも給与や待遇などを特に重要視する傾向に変化したことがわかります。

転職理由「コロナ」を上手に伝える方法

転職理由「コロナ」を上手に伝える方法

転職活動の面接では、必ずといっていいほど離職した理由や転職するに至った理由について問われます。その理由によって、面接官はその人が仕事において何を重視しているのかを知ることができるからです。コロナの影響で転職を決断した主なケースとしては、勤務先の倒産や解雇、業績の悪化、勤務形態の3つを挙げることができます。

勤務先の倒産や解雇が転職の理由である場合は自己都合による退職ではありませんので、面接では倒産や解雇による転職である旨をそのまま伝えます。コロナの影響による倒産や解雇は一個人ではどうすることもできない問題であることは面接官も重々承知しているので、この理由を伝えても何も問題はありません。もし可能であるならば、会社が倒産や解雇を選ばなければならないほど大変な状況の中でも自分が奮闘したエピソードを付け加えたいところです。そのエピソードがあれば、困難な状況においても諦めずに全力を尽くす努力ができる人材であると印象付けることができます。

コロナによる業績悪化が転職の理由である場合も、面接ではその旨をそのまま伝えて問題ありません。業績悪化で給与がカットされたりすることは生活に直結する問題ですので、不安に感じるのは当然のことであり、家族を養っていればなおのことです。面接において勤務先の会社がどれくらい業績悪化し、個人にもどれくらい影響があったのかを具体的に説明できるようにしておきます。

最後に勤務形態が転職の理由である場合ですが、これは勤務先が在宅勤務やリモートワークを認めていないことに対して不安や不満を感じているという場合のことです。外出自粛要請が出ているのに、他の会社では在宅勤務やリモートワークを実施しているのにという不満を持ってしまうことは仕方のないことではありますが、これを面接時に伝えることはあまりお勧めできません。

在宅勤務やリモートワークの実施は企業にとっての義務ではありませんし、転職を希望する企業に入社できたとしても入社後すぐに在宅勤務やリモートワークができるかはわかりません。最悪の場合、面接官にただ不満を述べている人という印象を与えかねません。もしも在宅勤務やリモートワークをしたい理由がコロナ以外である場合はそれを面接官に伝えます。

例えば、育児や介護をしながら働くための手段として在宅勤務やリモートワークを選択している場合です。育児や介護をするために離職したが、御社で実施している在宅勤務やリモートワークであれば育児や介護をしながら働くことができると考えているというように伝えるようにします。

コロナが原因で転職する人のための就活成功法

コロナが原因で転職する人のための就活成功法

コロナが原因となり転職活動をすることを決断したものの、いつ終息するのかもわからないコロナ禍での転職活動に不安を感じている人も多いようです。コロナ禍で転職活動を行う場合は、これまで以上に事前準備をしっかり行う必要があります。コロナが流行して以降、転職市場ではこれまでの経験を活かす即戦力を重視する傾向となりました。

そのため、転職を希望する企業に対して自分がこれまでに培ってきた経験や知識をいかにアピールできるのかということが大切です。その経験や知識が転職を希望する企業が求めているものと一致すれば、重視されている即戦力であると認めてもらうことができ、採用に繋がります。たとえ転職を希望する企業がこれまで経験したことのない業種や職種であっても、活かせる経験や知識はあるはずです。

これまで培ってきた経験や知識、自分自身の強みについてじっくり考えてみます。自分の強みがわからない場合や履歴書・職務経歴書の書き方がわからない場合、面接対策に不安がある場合は、転職をサポートしてくれるキャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーなどの転職のプロに相談してみることもおすすめです。

また、企業側ではなく自分自身にとって何が大切で、どのような働き方をしていきたいのかについても考えをまとめておく必要があります。コロナの流行が働き方について改めて考えるきっかけとなり、同時に企業側も社員の働かせ方について見直すきっかけとなりました。在宅勤務やリモートワークなど、これまでは選択肢すらなかったような働き方が実現できるようになってきた今だからこそ、仕事において自分自身が何を重要と考えているのかを把握しておく必要があります。

ある人の重要なことは安定性であったり、ある人は多くの給与がもらえることであったり、またある人は在宅勤務やリモートワーク可ということであったりと、重要視することは人それぞれです。その重要と考えていることが見えてくと、転職先の選択もスムーズに行うことができるようになります。転職希望者が仕事において何を重要と考えているのかということは、企業側にとっても採用を決める大きな判断材料となります。自社が掲げている理念や将来的な構想に合う人材なのかを見極めているのです。

まとめ

コロナにより面接試験がオンラインで行われることが急激に増加しました。オンライン面接に不安を感じる人もいるかもしれませんが、実際にオンライン面接を経験したことがある人からは、従来の対面で行う面接とほとんど変わりがないという声が多く聞こえてきます。

オンライン面接は日程調整がしやすかったり、来社するためにかかる時間や移動にかかる交通費が不要だったりと、企業側と求職者の両方にメリットをもたらします。今後はますますオンライン面接が主流となる可能性も大いにあるため、転職活動を始める際にはオンライン面接を行うための通信環境やアプリケーション、マイク付きイヤホンなどについても事前に準備を進めておくと安心です。

コロナで大打撃を受けた転職市場ですが、一方で新しいビジネスチャンスが生まれていることも事実です。世の中が大きく変化している現在だからこそ、経験したことのない業界や職種に飛び込んでみることも選択肢の一つとして検討してみる価値があります。これから成長が期待できる業界や職種を見極めて転職し、新しい知識と経験を身に付けて自身のキャリアを磨いていくのです。これからさらに成長する可能性を秘めている業界は数多く存在しているので、転職市場の最新情報について注目しておくことが大切です。

コロナの影響で様々な制限の中で暮らしているため、どうしてもマイナスなことばかりが目に付きやすくなりますが、転職市場においてはまたとない大きなチャンスも生まれているというプラスの面もあります。転職する理由や転職先に求める条件などを今一度精査し、ポジティブな気持ちで転職活動を行うことも転職活動を成功させるための秘訣です。

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