[最終更新日]2023年10月2日  [記事公開日]2021年4月28日

フリーターから正社員になるための4つの手段|受かるための秘訣も合わせて解説

今までフリーターとして生活を続けてきたものの、環境の変化などによってこのままの労働環境ではいけないと思い、正社員としての就職を目指している人も多いかと思います。そもそも正社員とは契約期間に定めがないという雇用形態の事で、まずはこの点が派遣社員や契約社員、アルバイトとは大きく違う点となります。

正社員である以上は雇用主が解雇するためには正当な理由が必要となるため、企業としても採用に慎重となります。結婚を考えているパートナーがいるような場合、入籍するとさまざまな恩恵を受けると同時に社会的な義務や責任が発生しますが、それと似たような感覚だと思っていただければわかりやすいかと思います。

正社員は会社と直接雇用契約を結ぶため、雇用が守られている分だけ業務上の責任は重くなり、仕事内容も広い範囲に及びます。就業規則などの社内規則に則って働く必要がありますが、それを順守している限りは不当に解雇されるようなことはなく、安定した労働環境のもとで働くことができます。

正社員として働くことの大きなメリットが、就労期間が長くなれば賃金が安定して上がっていくということです。厚生労働省では無期限のフルタイム労働者(いわゆる正社員)の事を正規雇用労働者と呼び、期限があるパートタイム労働者の事を非正規労働者と表現しており、同じ職場で同じ仕事をする場合に両者の賃金に差が出ないようにするために「同一労働同一賃金」を主旨とした法律も施行されています。

(中小企業は2021年4月から適用)しかし、ここには大きな落とし穴があります。若いうちは賃金に大きな差が出ることはありませんが、賃金が上がっていくためには労働内容もレベルアップしていく必要があります。正社員としての雇用は期間の定めがない長期的なものであるために、会社としては正社員に対して、就労期間に応じてよりレベルが高く責任が重い仕事を任せるようになります。

労働内容のレベルが上がれば昇進などにより賃金が上がるという仕組みです。非正規労働者は定められた雇用期間において、会社が必要な労働内容に応じてスポット的に雇用されているため、必要以上の仕事内容を要求されることはなく、労働内容のレベルアップはあまり期待されていません。そのため、長期的にみると正規雇用と非正規雇用の労働者の間には賃金の格差が生まれてきます。また、会社の業績に応じて賞与が支払われるような場合でも、対象が正社員に限られていることがほとんどです。

他にも正社員がより広い範囲での福利厚生を受けることができたり、安定した労働環境によって社会的信用が高まるなど、さまざまなメリットが享受できますが、長期的な責任と義務も大きなものとなるため、相応の心構えが必要となるでしょう。この記事をお読みの皆さんは、ある程度のイメージはされているかと思いますが、メリットとデメリットをもういちど自分なりに整理して、正社員になりたいというモティベーションを確認してみましょう。そこがしっかりと固まればそこからがスタートです。

ここでは若手の人向けにフリーターから正社員になるにはどのような方法があるのかということをその秘訣も合わせてご紹介します。

フリーターから正社員を目指す4つの手段

フリーターから正社員を目指す4つの手段

就職はご縁のものですので、その活動においては思い通りにいかないことも多いかと思いますが、いくつかの手段を試すことによってご縁をつかむ可能性を高めることができます。例えばあなたがパートナーを探したいとき、どのような方法があるのかを考えてみるとわかりやすいかと思います。街中でナンパをするのか、お店で出会うのか、友達に紹介してもらうのか、他にもサイトに登録したりアプリを活用したり、いろいろな手段が考えられます。

もちろん、ご縁があったとしても相手の希望というものがありますので、必ずしも自分の希望通りになるとは限りません。就職活動に関していえば、会社としてまずは幅広い選択肢の中から候補者を選びたいと思っていますので、そのような会社の希望と自分の希望をマッチングしてくれるような手段を試してみることになります。経験が少ない人がいきなり街中でナンパをしようとしても結果を出すのは難しいと思いますし、若い人がフリーターから正社員を目指すのであれば、それなりの工夫が必要となります。

<正社員転職支援サイト>

まず一番はじめに思いつくのが正社員就職支援サイトです。住所・氏名や履歴書、職務経歴書に関してはどのサイトでも登録が必要ですし、同じような内容を登録することになりますので、まずはいくつかのサイトに登録してみましょう。

サイトの運営会社によっては付き合いのある業種に特徴があったり、営業や事務などの職種による得意分野がある場合があります。紹介される会社も運営会社によって異なる場合が多くありますので、まずは大手の運営会社を最低3つ、また自分として興味がある業種や職種(例えばコールセンターや営業など)に特化した運営会社があれば、そちらも複数活用してみると良いでしょう。

なかにはフリーターの支援に積極的な運営会社もあります。サイトに登録すれば採用を希望している会社の募集要項を見ることができますし、自分の希望条件を登録しておけば、条件にマッチした案件を紹介してくれます。気になった案件があれば応募するのですが、その際に就労を支援してくれるエージェントと呼ばれる専門家がさまざまなアドバイスをしてくれることになります。

エージェントはさまざまな会社の具体的な求職案件をはじめ、就職の全体的な傾向に関する情報を持っていますし、求職者の志望動機の書き方や面接などに関するアドバイスもしてくれます。エージェントはあなたが無事に就職した際に、採用元の会社からの紹介料を受け取ることが仕事ですので、就職がうまくいくように働きかけてくれますし、就職後の一定期間は就労条件にミスマッチがなかったかをフォローしてくれます。このエージェントとうまく付き合えるかどうかが就職活動を納得いくものにするために非常に重要なポイントとなります。

<派遣社員登録>

次に派遣登録業者に登録してみるのもひとつの方法です。派遣登録業者の中には紹介予定派遣といって、正社員としての雇用を前提とした募集をおこなっている場合があります。これは婚約期間を経たうえでの結婚と似たような仕組みで、派遣社員として一定期間(大体のケースは3ヶ月)働いてみて、会社としても本人としても納得がいくようであれば正社員として採用されるというものです。派遣社員としての採用であれば会社としてもハードルが下がりますので、機会があれば活用してみたい方法です。

<ハローワーク>

国で行っているハローワークの職業紹介サービスを利用する方法もあります。ハローワークは若者を対象とした対応窓口を設けている場合もあります。ただし、こちらはエージェントのような専門家が必ずしもきめ細かい支援をしてくれるわけではありませんので、基本的には自分で条件を検索して応募することになります。

また、あまり知られていませんが、こちらでは無料の職業訓練を受けることができます。コースは多岐にわたりますが、ビジネスマナーをはじめとしてPC操作や医療・介護などの専門スキルを学ぶことができます。建築関連などでは若年者の就業を支援するコースもありますし、技能系の訓練では取得できる資格もあります。すぐに就職できるわけではないですが、専門スキルが身に着けば就職に有利に働くことは間違いありません。

<親族や知人の紹介>

最後に親族や知人・友人の紹介です。この方法が一番確実な方法なのですが、そのような機会がタイミングよく見つかる可能性が低いものとなりますので、最後に紹介させて頂きます。例えば、親族が経営している会社であれば、あなたの事をよく知っていますし、雇っている側としても身元の確かさなど安心できる要素が多くなりますので、あなたとしても正社員として安心して働くことができるかと思います。

知人の紹介でも同じようなことが言えますが、あなたの能力をやや過大評価して紹介してくれていることがあるため、入社後にそのギャップを埋めるための努力が必要になるかもしれません。いずれにしても紹介者が身近な存在であるために、その人の顔を潰さないように能力を発揮することが求められ、辞めることが難しいこともあるでしょう。

フリーターから正社員になるために必要な事前準備

フリーターから正社員になるために必要な事前準備

履歴書と職務経歴書は就職活動においてもっとも必要となるものです。若いうちは職務経歴が浅いと思いますので、履歴書自体も学歴と運転免許程度の保有資格の記載になるかと思います。弁護士資格を持っている場合などは別として、採用担当者が若い人たちに期待しているのは熱意のある自己PRや志望動機ができるかどうかという点になります。

その際に企業研究をしっかりとしましょう。今ではインターネットで検索できる情報も多くありますし、独自の企業サイトを持っていないような場合はよほど特殊な会社でない限り、応募を控えたほうが良いでしょう。企業サイトには事業内容をはじめ、採用に関する情報が記載されているケースも多く、なかでも先輩たちの体験談などは特に参考になるはずです。会社の顔である社長の名前から検索してみると、会社に関するいろいろな周辺情報を見つけることができるかもしれません。

そのような情報をもとに自分がその会社で働いている姿をイメージしてみましょう。その会社で自分の今までの具体的な体験がどのように活かせそうな気がするのかという点がイメージできれば、それを自己PRや志望動機に落とし込むことができます。引き合いに出す体験は、その会社の業務内容に合わせて、自分の個性がよく表れているようなものにします。

例えば、今まで接客業のアルバイトをしてきたような場合であれば、お客様に感謝されたような体験をもとに、会社の対面営業業務の中で会社に貢献できることを積極的にアピールできるでしょう。熱意を表すためには、基本的な挨拶はもちろん、身だしなみも重要なポイントとなりますので、自然な若さを表現できるようなお気に入りの勝負スーツを用意しておけば、積極性が増すとともに、落ち着いて面接に臨むことができます。

確実にフリーターから正社員になるための秘訣

確実にフリーターから正社員になるための秘訣

確実に正社員になるためには、正社員になれるまで就職活動を続けることです。禅問答のような説明になってしまいますが、必ず採用されるという特別な方法は、親族が経営している会社に就職するような場合を除いてはまずありません。就職活動で複数の会社から内定をもらうような人もいますが、よっぽどユニークな経歴のある人でない限りは、情報収集とそれを活用した具体的な活動を積み重ねてきた人です。

採用面接は非日常的な場面であり、ある程度の慣れもありますので、最初は自己PRや志望動機をうまく表現できないことがあるかもしれません。そのためにも数多くの経験を積んで、表現力を磨きながら努力していくことが大事です。

新型コロナの影響があった2020年時点でも、有効求人倍率が多少下がったとはいえ1を超えていますので、仕事内容や雇用形態を選ばなければ働くこと自体が難しいことはありません。しかし正社員での就職が厳しいものであることは事実です。就職活動に確実な方法はありませんが、効率の良いものとすることはできます。こまめに情報収集を行いながら、機会があれば積極的に動いてみましょう。

まとめ

会社に長く働いている人には、会社そのものが好きか、業界(仕事内容)が好きか、職場での人間関係が好きかという3つのタイプがあると言われています。採用面接の時間自体は短いものかもしれませんが、一般に公開されている情報以外に、その会社について肌で感じることができることも多くあります。

好きかどうかという感覚は数値で表せるものではありませんので、この肌感覚を磨くためにも採用面接には積極的に挑戦してみましょう。正社員になるということはその会社で長く働くことが前提となりますので、自分にとってどのような魅力を感じ、どのような働き方ができるのか、またフリーターから正社員になるにはそれだけの覚悟ができているかという点を明確にしましょう。

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