[最終更新日]2022年6月6日  [記事公開日]2021年4月6日

【第二新卒とポテンシャル採用】採用企業の目的と採用されるコツ

第二新卒として転職を行ううえで一度は耳にする「ポテンシャル採用」。なんとなくわかる気もするかもしれませんが、いざ聞かれるとハッキリ答えられないという人も多いのではないでしょうか。

そんなポテンシャル採用ですが、第二新卒では起用される企業が多くありますので、どのようなものなのかをしっかりと把握しておく必要があります。

では一体、ポテンシャル採用とは何なのでしょうか。

今回のコラムではそんな第二新卒とポテンシャル採用について解説していきます。ポテンシャル採用の概要や第二新卒でポテンシャル採用が起用する目的などをご紹介しているので、第二新卒として転職活動を行う人はぜひ最後までご覧ください!

そもそもポテンシャル採用とは?

そもそもポテンシャル採用とは?

ポテンシャル採用とは、従来の経験やスキルを重視したいわゆるキャリア採用の方法と異なり、教養・人柄、可能性を見て採用する方法です。入社後に必要なスキルを育成されていくことになり、今後の可能性が比較的高いと考えられる20代~30代の人を採用する傾向にあります。第二新卒もこの中に入ります。

キャリア採用では即戦力としての能力が求められるため、他業種からの転職やブランクがある人、いまだ社会経験が浅い第二新卒にとってはハードルが高い一面があります。しかし、ポテンシャル採用が重視しているのは将来性であるため、採用基準はどちらかと言えば新卒採用に近いものとなります。

ポテンシャル採用は即戦力になる人材である必要がない一方で、将来的に企業の役に立つ人材になれるかどうかの潜在能力を測られます。つまり、その企業や分野に特化したスキルに長けていなくても採用のチャンスがあるのです。

20代~30代の若い世代で、現状の働き方に不満・不安を感じている人や、すでに退職して次の就職先を探している人にとって、ポテンシャル採用は働く環境を大いに変えられる可能性を秘めています。

ポテンシャル採用の大きな特徴としては、「実務経験が一切なくても採用されることがある」という点です。ポテンシャル採用のターゲットである若い世代にとっては、特別に設けられた採用枠だと考えても良いでしょう。

今の時代に限らず、社会に出るまでに人生の方向性を決めきれなかった人や、就職後に方向転換をしたいと感じるようになる人は少なくないものです。人生計画の軌道を変更するチャンスとしても利用できます。

また、ポテンシャル採用の利点の1つとして、「必ずしもキャリアアップのための転職でなくても構わない」というものが挙げられるでしょう。今の時代はキャリアアップ転職でなければ採用されないかもしれない…と心配する人も多くなっています。それほど若い世代の意識が高まっているという証明でもありますが、誰もがキャリアアップ転職をしなくてはならない、ということでもないでしょう。

キャリアアップ転職ではなく、あくまで違う業種、違うジャンルの仕事をしてみたいという人にとって、ポテンシャル採用は新しいキャリア、ひいては新しい人生が始まる可能性を秘めたものでもあります。

ポテンシャル採用はキャリア採用とは違い、即戦力としての能力を求められているわけではない採用方法です。ただし、潜在能力や将来性を買われて採用されたとしても、右も左も分からない新卒のような態度ではいられないことは確かです。新卒気分はNGです。その点だけは、新卒よりも厳しい目で見られるという覚悟が必要でしょう。

ポテンシャル採用は「(新卒よりも)短い育成・指導期間で戦力になる可能性」が重要視されています。ポテンシャル採用で就職した人は短期間でOJTがされる、というわけではありませんが、早期の成長を求められている自覚を持たなくてはいけない立場です。

新卒採用もポテンシャル採用も、その業界の経験がないということは共通の立場です。しかし、決定的に違うのは「社会人経験」です。一般的な企業のOJTの中には、社会人経験があれば習得・吸収が早い内容も多く、ポテンシャル採用者はこの点で今後の可能性を測られると考えておいたほうが良いでしょう。

また、年齢が上がれば上がるほどそのような見方が強くなります。この年齢なのだから分かっているはず、できるはず…と、求められるものが若い世代のポテンシャル採用よりも厳しめになることは間違いなさそうです。企業によっては第二新卒にも求める点です。とは言え、ポテンシャル採用はやはり可能性・潜在能力を見られる採用方法です。企業側に「この人は我が社の力になる」と思わせるようなポテンシャルがあれば、ハンデになりがちな年齢のことも跳ね返しやすくなるでしょう。

第二新卒でポテンシャル採用を起用する企業の目的

第二新卒でポテンシャル採用を起用する企業の目的

求職側にとってメリットが多いポテンシャル採用ですが、もちろん企業もメリットを求めてこの採用方法を導入しています。企業としては即戦力となる人材を集めやすいキャリア採用だけのほうがメリットを感じられそうですが、今の時代は必ずしもそうではない状況です。

まず、長く続く不景気の中で新卒採用を控えてきた企業は、若手を育成することができないまま時間を過ごし、慢性的な人材不足に陥っている時代です。中高年の人材は多く確保できているものの、後進が育っていない状況は、企業にとって大きな打撃になってしまいます。

そこで、空白になってしまった世代を埋めるためのポテンシャル採用を導入する企業が増え始めました。新卒を育成するだけでは間に合わない中、多少なりとも社会人経験のある第二新卒を採用できる可能性は、企業にとってもメリットがあるものなのです。他にも、企業にとっては以下のようなメリットがあります。

1つ目は、優れた若手を採用できる可能性です。時代の流れもあってか、若い世代の間で仕事に対する考え方や意欲への価値観が変わりつつあります。自分の可能性や働きやすさを重視して、特に大企業にこだわらずに中小企業へ転職する人も増えています。大手と比較して人材を確保しにくかった中小企業でも、ポテンシャル採用で、自社にマッチした潜在能力や可能性を秘めた人材を見つけやすくなりました。

2つ目は、社会経験がある人材を見つけられることです。新卒と違い、社会経験がある人材の多くはビジネスマナーを習得しています。ポテンシャル採用ならこの点の心配がないため、マナー研修の手間が省けます。

ビジネスマナーは企業にとって重要な問題であることが多い項目です。そのため新卒採用の人には学習の機会が設けられるのですが、それは外部の人間が思っている以上に時間や費用がかかるものです。第二新卒なら、この点を省いたり、内容をある程度縮小させたりしても、安心できるというメリットを持っています。

3つ目は、企業の新陳代謝が行われることへの期待です。多くの企業、特に中小企業では、社内の高齢化が問題視されていることも少なくないものです。若手の進出が減り、高齢社員ばかりが企業内で業務を行っていると、いずれ企業の成長が止まってしまうと言われています。

成長はどのような時代でも企業にとって不可欠です。新卒だけではなく、成長の可能性を秘めた若い世代を中途採用でも迎え入れることができるのも、ポテンシャル採用のメリットです。以上のようなメリットを持っているポテンシャル採用は、今の時代、多くの企業にとって欠かせないものになっています。大企業だけではなく中小企業、ベンチャー企業でも注目されています。

このような企業の目的を知ると、ポテンシャル採用を希望する求職者は「自分にできるだろうか」と考えてしまうかもしれませんが、その点は企業がフォロー体制を整えているはずです。いくら「新卒よりは社会人経験があるから」と言っても、何しろまったく違う業種からの転職であることも珍しくないのですから、研修や指導を一切しないわけにはいかないものです。

もちろん「新卒よりも早く戦力になって欲しい」というプレッシャーを感じる可能性はあります。しかし、採用した人材を放置するというケースはありませんので、その点は安心して応募してみると良いでしょう。

ポテンシャル採用で転職を成功させるための秘訣

ポテンシャル採用で転職を成功させるための秘訣

ポテンシャル採用によって転職を成功させたいのであれば、企業がポテンシャル採用に何を求めているかを知ることが大切です。まずは企業の方向性と自分のキャリアビジョンのすり合わせを行い、一致するかどうかを確認する必要があります。

企業によっては、面接の段階で入社後のキャリアビジョンの提示・提案を求めてくることがあります。応募者の希望する条件が採用に相応しいものであるかを見極めると同時に、企業側が自社と応募者の方向性の一致を確認するためでもあります。方向性が違う人材を採用しても企業のメリットになるケースは稀であり、ある程度のすり合わせが必要です。そのため、ポテンシャル採用の面接では企業の方向性を理解していること、自分のキャリアビジョンに適しているというアピールが必要です。

次に必要なことは「自分が企業という組織に馴染める・役に立てる人材である」というアピールです。いくら高い能力を持っていても、よほどの天才や逸材でもない限り、安定した関係性を築けない人間は企業で働くことに向いていないと考えられます。

  • コミュニケーション能力
  • トラブル解決能力、トラブル解決への責任感
  • 情報収集能力、理解能力
  • 社会常識に適したモラルや価値観

このような項目は安定した関係性を築くために不可欠なチェックポイントです。面接の中でダイレクトに「人と上手くやれますか?」と訊かれることは少ないかもしれませんが、多数の質問から判断されると考えておいたほうが良いでしょう。

「前の会社ではこのようなトラブルをこのように解決しました」「同僚とのコミュニケーションはこのような方法を用い、このような効果がありました」など、アピールに使える具体的なエピソードを用意しておくと効果的です。面接中に質問が振られないとしても、フリータイムでアピールすることができます。

社内の人間関係は円滑な業務に欠かせないものです。社会人としての基礎能力が試される部分でもあります。ポテンシャル採用だからこそ求められる社会経験の一部を問われていると捉えておくべきでしょう。

年齢についての心配は、20代ならそこまで考える必要はないと言えます。しかし、第二新卒でも年齢がやや上になった人のポテンシャル採用へのチャレンジは、少し厳しくなることも確かです。年齢に応じた社会経験はもちろん、他の点でもアピールできることがあれば、面接に盛り込んでおくと良いでしょう。

「若いほど新しい知識や技術を習得しやすい」という考えはいまだに根強く残っています。それを上回るメリットのアピールが必要です。たとえば「前業種では社内インフラを担当していて、御社ではその経験を活かし、インフラの効率化を提案できる」「年齢にこだわらず、優れた後輩からもスキルを吸収しようと努めていた」など、技術や社会性の具体的なエピソードを使うのも良い方法です。

面接では、企業側に「自分を採用するとこんなに良いことがある、採用してくれたこんなふうに頑張る」と理解してもらうことが大切です。20代はもちろんですが、年齢がハンディキャップになりがちな30代以降の人は、より強く意識しておくポイントでしょう。

また、面接でやってはいけないことは「前職の批判」です。前の会社の批判は一番の悪手です。自社の批判もされるのではないだろうか?と面接側に思わせてしまう可能性があるためです。また、人間的にもあまり歓迎されるような行為ではないでしょう。前職にどのような不満があったとしてもぐっと飲み込み、採用に繋がる前向きなアピールを心がけたほうが建設的です。

ポテンシャル採用の面接に挑むときには、自分自身をよく分析し、企業の方向性とキャリアビジョンの一致があるということ、入社後はどのように役に立てるかのアピールに努めると良いでしょう。

まとめ

ポテンシャル採用は年々注目度が上がっています。大企業の導入も増え、結果として、求職者にとって応募先の選択肢が広がることにも繋がりました。企業側、求職者側の双方にメリットがあるポテンシャル採用は、人生のキャリアの方向転換にも役に立ちます。

応募の際には、自分の潜在能力を企業側に感じ取ってもらうことが大切です。アピールできるポイントや社会経験を分かってもらえるエピソード、企業の方向性の理解など、事前に必ず入念な準備を行いましょう。

企業側は新しい人材を迎え入れられるというメリットの反面、「採用後は本当に戦力になってくれるのだろうか?潜在能力を見極められただろうか?」という疑念を持っている立場でもあります。その疑念を採用までに払拭させられる効果的な面接の受け答えや、入社後の態度・勤務態度はどうするべきかということについて、よく考えた上での求職活動が必須です。

個人では自信がない、難しい、方法が分からない…という場合には、転職エージェントに相談してみるのも良い方法です。自分に適した方法を用いれば、ポテンシャル採用で理想的な結果に繋げやすくなります。

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